日本大百科全書(ニッポニカ) 「吾北」の意味・わかりやすい解説
吾北
ごほく
高知県中央部、吾川郡(あがわぐん)にあった旧村名(吾北村(そん))。現在はいの町の中央部を占める地域。2004年(平成16)伊野(いの)町、本川(ほんがわ)村と合併、いの町となる。旧村域は、仁淀(によど)川の支流上八川(かみやかわ)川流域に位置し、国道194号、439号が通じる。林野率が約90%で産業は林業が中心。用材のほかクワ、コウゾの栽培が盛んで、江戸時代から明治にかけて仁淀川水運によって伊野へ搬出し、大正期までは村内でも和紙生産が行われた。近年、和牛の飼育も盛んで、子牛の繁殖飼育が行われていて、スイカ、シシトウやイチゴなどの施設園芸も行われている。現在は国道194号によって高知市と結ばれ、通勤者が増加している。上八川川上流の柿薮(かきやぶ)にあるヤブツバキは県指定天然記念物。
[正木久仁]