伊野(読み)いの

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

伊野
いの

高知県中部,高知市の西に位置し仁淀川沿いに広がる地区。旧町名。 1895年町制。 1954年八田 (はた) ,宇治,川内の3村と合体。同年神谷 (こうのたに) 村,1955年三瀬村を編入。 2004年 10月本川村,吾北村と合併し,いの町となる。一部地域を除き,大半は山地で占められている。南部の中心集落伊野と,土佐紙発祥の地,成山は江戸時代初めから和紙の産地として知られた。現在も県下屈指の製紙業地で,原料のコウゾミツマタは仁淀川の上・中流の山村などから供給される。高知市と接する南部の平野部は JR土讃線,土佐電気鉄道伊野線国道 33号線が通り,宅地化が著しい。仁淀川沿いを通る国道 194号線は伊野と山間部を結ぶ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

伊野
いの

高知県中央部、吾川(あがわ)郡にあった旧町名(伊野町(ちょう))。現在はいの町の南部を占める地域。1895年(明治28)町制施行。1954年(昭和29)八田(はた)、神谷(こうのたに)、宇治、川内の4村と、1955年三瀬村と合併。2004年(平成16)本川(ほんがわ)村、吾北(ごほく)村と合併、いの町となる。旧町域は高知市の西に位置し、大部分は仁淀(によど)川下流左岸にあり、山間地も多い。中心地の伊野地区は谷口集落で製紙の町。地域の北部山間地の土佐紙技法発祥伝承地成山(なるやま)とともに、藩政時代には御用紙漉(かみす)き地に指定、保護されて発展した。明治・大正期には工場製紙も発達した。現在は伊野地区の機械漉き工場での生産が主で、かつて仁淀川水運で上流山村から得たコウゾ、ミツマタを原料に、図引紙(製図用紙)、典具帖紙(てんぐじょうし)など多種の和紙を生産した手漉き和紙業は衰退した。土佐紙の歴史や生産工程を紹介する「紙の博物館」がつくられている。JR土讃(どさん)線、土佐電鉄伊野線、国道33号(松山街道)、194号が通じ、高知自動車道の伊野インターチェンジがある。隣接する高知市の市街地が延長して町の東部に及んでいる。かつての問屋、商家の土蔵造りの町並みもわずかになった。八代八幡宮(やしろはちまんぐう)の農村歌舞伎(かぶき)舞台「八代の舞台」は国の重要有形民俗文化財に指定される。[大脇保彦]
『『伊野町史』(1973・伊野町)』

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