和多都美神社(読み)わたつみじんじや

日本歴史地名大系 「和多都美神社」の解説

和多都美神社
わたつみじんじや

[現在地名]豊玉町仁位 和宮

仁位にい浜の外浦の「わたづみ」浦に臨んで鎮座する。渡海わたつみ大明神とも称した。旧村社。祭神彦火火出見尊・豊玉媛・鵜茅葺不合尊。

〔古代〕

海神の豊玉彦命がいた海宮の跡とされ、海幸彦・山幸彦の伝説があるほか、満珠瀬・干珠瀬、玉の井たまのいの遺跡、磯良恵美須いそらえびすという磐座などもこれに関連する。しかし祭神は古く海神磯良であったと考えられる。宮前の渚の孤立した自然の岩石を磯良恵比須とよび、周囲に注連を張り、幣を奉るさまが古い祭祀の磐座と想定されること、その背面に鱗状を呈した自然の亀裂があり、磯良の本体が蛇体であったことを具現していることから神体石と推定され、俗伝にも神体は白い蛇であるという。神話の豊玉媛が出産の際、蛇体になったというように(日本書紀)、当社の伝承は古い要素をもつ。ワタツミのワタは入江、ツは助詞、ミは聖なる蛇(神)を表した神名であろう。神宝として懸仏のほか弥生時代の広形銅矛がある。「続日本後紀」承和四年(八三七)二月五日条にみえる「上県郡無位和多都美神」に比定され、従五位下の神階を授けられるが、貞観元年(八五九)従五位上(「三代実録」同年正月二七日条)、同一二年対馬の和多都美神三座のうち二座が正五位下、一座が従五位上となった(同書同年三月五日条)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

事典 日本の地域遺産 「和多都美神社」の解説

和多都美神社(社殿・鳥居・石垣)

(長崎県対馬市豊玉町仁位)
景観資産〔長崎県〕指定の地域遺産。
浅茅湾に面した対馬市豊玉町の入江にある神社。一直線に並んだ5本の鳥居のうち2本は海中に建ち、潮の干満によって変化する

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デジタル大辞泉プラス 「和多都美神社」の解説

和多都美神社

長崎県対馬市にある神社。“和多都美”は「わたつみ」また「わだつみ」と読む。祭神は彦火火出見尊(ひこほほでみのみこと)、豊玉姫命(とよたまびめのみこと)。

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事典・日本の観光資源 「和多都美神社」の解説

和多都美神社

(長崎県対馬市)
次代(あす)に残そう長崎百景」指定の観光名所。

出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報

世界大百科事典(旧版)内の和多都美神社の言及

【豊玉[町]】より

…シイタケ栽培や畜産も行われる。仁位に豊玉姫命をまつる和多都美(わだつみ)神社がある。【赤池 享一】。…

※「和多都美神社」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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