唐津くんち
からつくんち
佐賀県唐津市の唐津神社の秋祭りで,毎年 10月29日の本殿祭の神事のあと,11月2~4日に行なわれる神幸祭とそれに伴う曳山の行事に対する呼称。1967年までは 10月28~30日に行なわれていた。曳山は氏子各町から全部で 14台出される。いずれも台座の上に大きなつくりものが載ったもので,文政2(1819)年に刀町の石崎嘉兵衛という人物が,伊勢参りの帰路に見た京都の祇園祭に触発されて赤獅子をつくり,奉納したのが始まりとされる。その後,文政7(1824)年に中町の青獅子,天保12(1841)年に材木町のカメと浦島太郎,天保15(1844)年に呉服町の源義経の兜など,1876年までに各町が次々と曳山をつくった。祭りは 11月2日の夜が宵ヤマ,3日が神幸祭とその行列に供奉する曳山の御旅所への曳込み,4日は曳山の町廻りとなっている。宵ヤマでは各町の曳山が唐津神社前に勢ぞろいし,神幸祭では神輿の前後に曳山が行列をなして旧城下町を進み,御旅所である西の浜明神台にいたる。その後,曳山は各町内を巡行する。最終日の町廻りでは,曳山が唐津神社から神幸祭と同じ経路で市内をめぐり,夕刻に神社に隣接する曳山展示場に納まる。いずれの行列も,刀町の赤獅子の曳山を先頭に,曳山の製作年代順に進む。1980年に曳山行事が国の重要無形民俗文化財に指定され,2016年に「山・鉾・屋台行事」の一つとして国際連合教育科学文化機関 UNESCOの世界無形遺産に登録された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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出典 日外アソシエーツ「事典・日本の観光資源」事典・日本の観光資源について 情報
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世界大百科事典(旧版)内の唐津くんちの言及
【佐賀[県]】より
…これらの半島沿岸と沖合の高島,神集(かしわ)島,小川島,加唐(かから)島など付近一帯は玄海国定公園をなす。住吉三神とこの地方の豪族をまつる唐津神社の秋祭〈唐津くんち〉の絢爛(けんらん)豪華な14台の曳山(やま)や,呼子(よぶこ)の大綱引,名護屋の盆綱ねりなど,玄海浦々の年中行事は開放的で多彩である。(2)有明海斜面 県の東半と南西部に広がり,近世の佐賀藩領よりやや狭い範囲を占める。…
※「唐津くんち」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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