日本歴史地名大系 「唐津神社」の解説
唐津神社
からつじんじや
唐津市街の中心、大手口から北へ約二〇〇メートルの旧唐津城内三の丸にある。一の宮に表筒男命・中筒男命・底筒男命の住吉三神、二の宮に神田五郎宗次(当地方の豪族)を祀る。旧県社。
創建については伝承が幾つかある。神社誌要は神功皇后が朝鮮より帰国後、鏡を捧げて住吉神を祀ったがその後衰え、孝謙天皇の時代に神田宗次が霊夢により海上に浮かぶ宝筐から鏡を得てこれを神功皇后の捧げた鏡として奏上、天平勝宝七年(七五五)九月二九日に唐津大明神の神号を賜った。文治二年(一一八六)神田宗次を二の宮として祀ったという。「松浦古事記」もほぼ同様だが、宗次が宝筐を得て神社に納めた日を九月二九日とし、同じ頃、都で三位蔵人豊胤は観音が宗次に抱かれて西海に赴く夢をみ、のち二人は会ってその不思議を奏上、神号を受けたという。「松浦拾風土記」は「故老の所伝、一宮は観世音の化現、二宮は慈氏尊の降下なり」といい、「松浦昔鑑」は「物川蔵人・神田五郎広之両人之霊を祝ふ社也」という。
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報