そしゃくや嚥下および口腔(こうくう)内で食塊にまとめられないなど、摂食・嚥下障害のある患者や経口摂取が困難な高齢者などに対し、口腔や咽頭(いんとう)を通過する際は変形して嚥下しやすくするなど、誤嚥を回避する目的で食形態にくふうを加えた食事。摂食・嚥下障害のある患者は、十分な栄養が摂取できずに低栄養となったり、食物などを気管内へ嚥下して誤嚥性肺炎などを生じることがある。そのため適度な粘度があり、性状や密度が均一で、ベタつかず粘膜に付着せず、そしゃくしやすいと同時に食塊としてまとまりやすく、変形しながら口腔や咽頭をスムーズに通過しやすいなどの条件を満たす食事が求められる。個々の患者の状態や障害の重症度を考慮して、重症ではゼリー食、中等症ではペースト食(ミキサー食)、さらに軽症になるにつれて移行食(ムース食や刻み食、柔らか食、一口大食など)から普通食(常食)へと、段階を追って食事の柔らかさや形態を変化させ、そしゃくしやすくすると同時に味や温度など食べやすさにも配慮する。このなかで、移行食が一般にいわれる介護食に相当する。とくに水分は誤嚥を招きやすいため、ゼラチンなどの増粘剤を用いてとろみをつけるなどのくふうをする。ほかにもパサパサしてまとまりにくいものは、寒天状にまとめたり、かたくり粉を用いてあんかけ状にするなど、食形態をくふうする。近年、口から食べることの重要性が注目されているなかで、食感や味などをたいせつにしたさまざまな嚥下食が考案されている。
[編集部 2017年2月16日]
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