四字熟語の中のオノマトペ

四字熟語を知る辞典 の解説

四字熟語の中のオノマトペ

日本語には、「がんがん・ずどん」など物音を表す「擬音語」、「ぴかぴか・ゆらり」など様子を物音のように表す「擬態語」があります。両者を合わせて「オノマトペ」と呼びます。

 四字熟語にも、このオノマトペを含むものがあります。

 わかりやすいのは、日本語の「がんがん」のように文字を二回繰り返すものです。たとえば、「呵呵かかたいしょう」の「呵呵」は「からから」という大きな笑い声を表します。擬音語です。

 あるいは、「がんこうけいけい」の「炯炯」は(目が)光り輝く様子を表します。こちらは「ぴかぴか」と同様、擬態語です。

 このように二字の繰り返しを含む四字熟語は、ほかにも多くあります。

 「揚揚ようようおん朗朗ろうろうこく啾啾しゅうしゅうそく奄奄えんえんきょう津津しんしん眈眈たんたん死屍しし累累るいるいしょうしん翼翼よくよく悠悠ゆうゆうてきいん嫋嫋じょうじょうゆうしゃくしゃく藹藹あいあい……」

 右のうち、はっきり擬音語と言えるもものはなく、「音吐朗朗」(=音量が豊か)も、音というより様子を表します。擬態語が多い傾向があるのは確かです。

 二字の繰り返しを二つ重ねたものも多くあります。

 「侃侃かんかん諤諤がくがく空空くうくう寂寂じゃくじゃく喧喧けんけん囂囂ごうごう洒洒しゃしゃ落落らくらく戦戦せんせん恐恐きょうきょう喋喋ちょうちょう喃喃なんなん悠悠ゆうゆう閑閑かんかん縷縷るる綿綿めんめん……」

 右のうち、擬音語は「喋喋喃喃」(=ぺちゃくちゃ)ぐらい。「侃侃諤諤」(=大いに議論すること)も大声が出ていますが、音というより様子を表します。

 二字の繰り返しでないオノマトペもあります。

 まず、最初の子音が一致する「そうせい」と呼ばれる熟語。たとえば、「ごうほうらいらく」の「磊落」は、日本語ふうローマ字で書けば「rai・raku」。両方ともr音で始まり、頭韻を踏むオノマトペです。この仲間には、「しゅんぷうたいとう」の「駘蕩」(t音で始まる)、「はちめんれいろう」の「玲瓏」(r音で始まる)などがあります。

 一方、最後の部分が一致するのが「じょういん」。たとえば、「すいがんもうろう」の「朦朧」は「mou・rou」で、「~ou」が一致し、脚韻を踏んでいます。仲間に、「しんいんひょうびょう」の「縹渺」(「~you」が一致)、「天真爛漫」の「爛漫」(「~an」が一致)などがあります。

 双声・畳韻もオノマトペです。正確には中国語発音で説明すべきですが、わかりやすく日本語発音を用いました。

出典 四字熟語を知る辞典四字熟語を知る辞典について 情報

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