侃侃諤諤(読み)カンカンガクガク

デジタル大辞泉 「侃侃諤諤」の意味・読み・例文・類語

かんかん‐がくがく【××××諤】

[ト・タル][文][形動タリ]正しいと思うことを堂々と主張するさま。また、盛んに議論するさま。「侃侃諤諤意見をたたかわす」
[類語]丁丁発止囂囂喧喧囂囂喧喧諤諤舌戦議論口論論議論戦論争争論激論談論風発甲論乙駁口角泡を飛ばす

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精選版 日本国語大辞典 「侃侃諤諤」の意味・読み・例文・類語

かんかん‐がくがく【侃侃諤諤】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動タリ ) ( 「諤」はありのままに正しく言う意 ) 遠慮なく直言すること。大いに議論すること。また、そのさま。侃諤(かんがく)
    1. [初出の実例]「喉頭の筋を張りて侃々諤々抗議するよりも」(出典:兆民文集(1888‐91)〈中江兆民〉)

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四字熟語を知る辞典 「侃侃諤諤」の解説

侃侃諤諤

遠慮なく直言すること。大いに議論すること。

[活用] ―たり・―と・―として。

[使用例] 日本の現在において、言論の自由がなくなっているのは、一番嘆かわしいことだと思う。十年前二十年前には、まだかんかんがくがくの議論が、きかれた[菊池寛*話の屑籠|1932]

[使用例] 病理の大河内教授が委員長で侃々諤々、各派各自の説が入り乱れ、それに鵜飼医学部長の御高説も出て、大へんだったよ[山崎豊子白い巨塔|1965]

[使用例] 坂﨑家にある本物の遺言状と、それに対抗しようと持ち出される偽物の遺言状を巡って、さまざまな思惑が入り乱れ、侃々諤々の様相になるだろう[宮部みゆき*桜ほうさら|2013]

[解説] 擬音オノマトペ)を表す漢語からできたことばです。「侃侃」も「諤諤」も率直に言う様子。「諤諤」はまた、口やかましく騒ぐ意味もあります。
 この漢字を知らない人でも、「会議でカンカンガクガクやっていた」などと普通に使います。「かんかんに怒る」「がくがく震える」と同様、日常的な擬音になっているのかもしれません。
 例文を見ると、「侃侃諤諤」はどれも議論の場面で使われています。率直で建設的な議論だけでなく、やかましいだけの言い合いにも使われます。
 そのため、「喧喧けんけん囂囂ごうごう」ということばとも意味が近くなります。「喧喧」も「囂囂」も、声がやかましい様子。「ごうごうたる非難」の「ごうごう」がこれです。
 意味が近くなった結果両方がミックスされた「喧喧けんけん諤諤がくがく」が生まれました。これはすでに戦前に例があります。
 この「喧喧諤諤」は、よく誤用と言われます。でも、「やかましく、率直に議論する」と考えれば、意味は通ります。すでに一般には定着した観があります。

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