五明(読み)ごみょう(英語表記)pañca vidyā

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

五明
ごみょう
pañca vidyā

古代インドの学問分類法。「明」は学問の意味。5部門から成り,知識人の必須科目とされた。言語,文典に関する学問 (声明 ) ,工芸,技術,算暦に関する学問 (工巧明 ) ,医学,薬学,呪法に関する学問 (医方明) ,論理学 (因明 ) ,仏教の根本精神を明らかにする学問 (内明) の5部門をいう。

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デジタル大辞泉の解説

ご‐みょう〔‐ミヤウ〕【五明】

古代インドで用いられた学問の分類法。仏教では、仏教徒の学ぶ内(ない)と、世俗一般の外(げ)とに分ける。内の五明は、声明(しょうみょう)(文法・文学)・工巧明(くぎょうみょう)(工芸・技術・暦数)・医方明(医学)・因明(論理学)・内明(哲学・教義学)、外の五明は、ふつう、声明・工巧明・医方明・呪術明・符印明とする。

ご‐めい【五明】

《中国古代舜帝が作ったという「五明」の略》の異称。
「持参の扇を見ては…、―はかたじけなや、と礼あるを」〈咄・醒睡笑・三〉

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大辞林 第三版の解説

ごみょう【五明】

古代インドにおける学問の分類。仏教徒の学芸である内の五明の声明しようみよう(音韻学・文学)・因明(論理学)・内明(教理学)・医方明(医学)・工巧くぎよう明(工学・数学・暦学)と、因明・内明の代わりに呪術明・符印明を含んだ世俗一般の学芸である外の五明がある。

ごめい【五明】

〔舜しゆんが作ったという扇の名から〕
扇の異名。 「 -はかたじけなや/咄本・醒睡笑」

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精選版 日本国語大辞典の解説

ご‐みょう ‥ミャウ【五明】

〘名〙 (「明」は学んで明らかにすることの意) 古代インドで用いられた学問の分類法。仏教ではこれに内・外(げ)を分け、「内の五明」を仏教徒として学ぶ因明(いんみょう)(=論理学)・声明(しょうみょう)(=言語学・文学)・内明(宗教・哲学)・医方明(医術)・工巧明(くぎょうみょう)(=工芸・技術・暦数など)の五つとし、「外の五明」を普通、声明・医方明・工巧明・呪術明・符印明とする。
※懐風藻(751)釈道慈伝「釈道慈〈略〉妙通三蔵之玄宗、広談五明之微旨」 〔大唐西域記‐二〕

ご‐めい【五明】

[1] 〘名〙 (「古今注‐輿服」の「五明扇舜所作也。既受堯禅、広開視聴、求賢人以自輔、故作五明扇焉」から) 扇の異称。
※殿上詩合(1056)扇裏有秋風〈藤原憲房〉「幸属南薫虞舜徳 五明裁製献明王
※咄本・醒睡笑(1628)三「持参の扇を見て亭主のことばに、『五明はかたじけなや』と礼あるを聞き」
※洒落本・讚極史(1789‐1801)「松葉のおっす、雞舌のざんす、五明(ゴメイ)のほんざんすかへ」

ごめい【五明】

江戸中期の俳人。吉川氏。那波三郎右衛門祐祥の五男、のち吉川惣右衛門吉品の養子となる。秋田の富商。年少より俳諧に親しみ、成人して蕉風を志す。五二歳で家業を離れ、小夜庵に隠栖して俳諧に専念。寛政期には多数の門人を擁し、乙二(おつに)・長翠・素郷らとともに奥羽四天王に数えられた。編著「霜の声」「桜紙」など多数。享保一六~享和三年(一七三一‐一八〇三

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