図書館員(読み)としょかんいん(英語表記)librarian

翻訳|librarian

大学事典 「図書館員」の解説

図書館員
としょかんいん

図書館に関する専門教育を受けた図書館専門職員総称。大学図書館では,その学習・教育支援機能,研究支援機能,地域貢献機能を発揮させるために,専門的な知識技能を用いて情報の収集,組織化,保存,提供に関する専門的な職務に従事する。大学設置基準で「図書館には,その機能を十分に発揮させるために必要な専門的職員その他の専任の職員を置く」ことが定められているが(38条3項),大学図書館の専門職員に関する法的な規定はない。公共図書館を対象とする図書館法4条には,図書館に置かれる専門的職員を司書と称するという説明がある。専門職としての図書館員一般の名称として司書という名称が用いられることもある。国立大学法人では地区ごとに図書館専門職員を採用。私立大学では各大学が独自に採用試験を実施するが,大学の事務職員としての採用が多い。外部委託も進んでいる。

 アメリカ合衆国の大学図書館ではアメリカ図書館協会の認定校が与える学位(修士)が図書館専門職員の採用条件で,特定の学問分野の学位(修士や博士)を持つ主題専門図書館員(アメリカ)(subject librarian)も存在する。近年は,利用者が活動する場で情報サービスを提供するエンベディッド・ライブラリアン(アメリカ)(embedded librarian),特定の部局に派遣されるフィールド・ライブラリアン(アメリカ)(field librarian)図書館情報学教育工学教育方法学の知識や技能を兼ね備えたブレンディッド・ライブラリアン(アメリカ)(blended librarian)など新しい大学図書館員が登場している。
著者: 長澤多代

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

図書館情報学用語辞典 第5版 「図書館員」の解説

図書館員

本来は図書館に勤務する専門的職員を意味するが,図書館に働くすべての職員を指して用いられることもある.公共図書館には専門的職員である司書と司書補のほかにも職員がおり,利用者にとっては区別がつかないばかりか,図書館に働くすべての職員が同様の役割を果たすことが求められたということが,広義の解釈の背景となっている.「図書館員」を,図書館に働くすべての職員という意味で意識的に使用した例として,1980(昭和55)年に制定された日本図書館協会の「図書館員の倫理綱領」と,同綱領の解説がある.

出典 図書館情報学用語辞典 第4版図書館情報学用語辞典 第5版について 情報

今日のキーワード

プラチナキャリア

年齢を問わず、多様なキャリア形成で活躍する働き方。企業には専門人材の育成支援やリスキリング(学び直し)の機会提供、女性活躍推進や従業員と役員の接点拡大などが求められる。人材の確保につながり、従業員を...

プラチナキャリアの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android