日本の各政党が備えている党内機関の一つで,〈党の国会活動に関する事項を処理するため〉(自由民主党党則26条)というのがその設置目的の典型である。略称国対委員会。政党内部の一機関であって,国会の両議院に設けられた委員会ではない。政党組織に占めるその位置は,多くの場合,中央の執行機関の一部局であり,幹事長や書記長の統轄下におかれる(自民党党則27条,日本社会党規約53条など参照)。例外は日本共産党で,同党では国会議員団の一委員会であるにすぎない。従来の例では,政府提出法案の与党となる自民党の国会対策委員会は,法案の与党審査の最終段階で国会運営が自党に有利となるようにその国会提出期日などを決定する。また数名の副委員長は分担して議院の常任委員会担当の責任者となり,関係省庁から提出される全法案の議事運営に責任を負う。その際〈国会対策〉という活動の内容は,党内向けと党外向けの二つに大別される。与野党対決の状況において流動する情勢をにらみながら,本会議などでの具体的な行動方針を決定し,自党の議員に周知徹底させることは前者の一例である。もう一つの重要な側面は他党との折衝である。各党の国会対策委員は院の内外で相互に接触の機会をもつとともに,適宜必要に応じて与野党間であるいは野党だけで国会対策委員長会談を開き,国会運営の局面打開の方策を協議する。したがって各党の国会対策委員となる議員には,他党に対する顔の広さと並んで議事手続への習熟が要求される。政党間交渉において制度的にはその場を異にしながらも,根まわしの能力の共通性に着目して,いわゆる〈議運族〉(議院運営委員会)と〈国対族〉とが同一の議員類型を示すとされるゆえんである。
執筆者:都築 勉
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(星浩 朝日新聞記者 / 2007年)
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