国家公務員定年延長(読み)こっかこうむいんていねんえんちょう

知恵蔵 「国家公務員定年延長」の解説

国家公務員定年延長

国家公務員定年現行の60歳から65歳に段階的に引き上げる定年延長が検討されている。国家公務員の定年は国家公務員法で定められており、政府は導入時期などを検討し、2019年の通常国会への国家公務員法の改正案提出を目指す。
国家公務員の定年延長を巡っては、08年に国家公務員制度改革基本法に定年引き上げを検討すると規定され、人事院が11年に定年を段階的に65歳に引き上げることが適当だとする意見を政府と国会に提出。政府は17年に具体的な検討を進めることを閣議決定し、検討の上、論点を整理した。政府は18年2月、人事院にこの論点整理を踏まえて定年引き上げを検討するよう要請し、人事院は8月、60歳を超える職員能力・経験を活用するため定年を引き上げることが、質の高い行政サービス維持に必要だとして、具体的な措置を盛り込んだ意見を提出した。
人事院が示した具体的な措置は、次の4項目である。(1)定年制度の見直し、(2)役職定年制の導入、(3)60歳以降の職員への定年前の再任用短時間勤務制の導入、(4)60歳を超える職員の給与を60歳前の7割水準に設定すること。この給与水準は、民間企業の状況を基に設定した。また、定年延長に関連して、能力・実績に基づく人事管理徹底や、勤務実績が良くない職員に対する処分など人事評価の適正な運用、自主的な早期退職を支援する方策の検討なども意見として挙げた。

(原田英美 ライター/2018年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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