独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)が有する機関の一つ。日本のスポーツの国際的な競争力を高めるため2001年に設置された。研究者や医療関係者が連携して、さまざまな種目における課題を解決する研究を進めている。最新のトレーニング機器や練習施設があり、研究成果に基づいた指導や心理カウンセリング、リハビリテーション、栄養面での相談対応といった活動に取り組んでいる。
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日本のスポーツ競技者における国際競技力向上のための研究、支援業務を行う、スポーツ医学・科学・情報研究の中枢機関。英語名称はJapan Institute of Sports Sciencesで、略称JISS。所在地は東京都北区西が丘。2000年(平成12)に策定されたスポーツ振興基本計画に基づき、設立後10年間でオリンピックにおけるメダル獲得率(すべてのメダルの数に占める日本選手の獲得メダル数の割合)を3.5%に増加させることを目標に2001年4月に設置された。独立行政法人日本スポーツ振興センター(JSC)の一部門で、スポーツ科学研究部、メディカルセンター、運営部の3部体制で運営されている。各分野の研究者や医師などの専門家が連携し、トップレベルの競技者の強化、ジュニア競技者の育成、質の高い指導者養成に取り組む。国際ルールに準拠した最先端トレーニング施設であるナショナルトレーニングセンター(NTC)に隣接し、JISSの風洞実験棟やハイパフォーマンスジムなどとともに多くの専用施設を同一拠点内で利用できる、高度な科学的トレーニング環境を実現している。
JISSの中核的な事業は以下のとおりである。(1)スポーツ医学・科学支援事業 競技者の診察・検査・整形外科的チェックを行うメディカルチェック。フィットネスサポートやトレーニング指導、動作やゲームの分析、映像や情報技術によるサポート。(2)スポーツ医学・科学研究事業 競技種目に特化した競技力向上につながる研究や独自性の高い基盤研究。(3)スポーツ診療事業 内科、整形外科、歯科、眼科、皮膚科、耳鼻科、婦人科の診療、競技復帰を目的とするアスレティック・リハビリテーション、心理カウンセリング、栄養相談など。
2014年の冬季オリンピック・ソチ大会(ロシア)においては、JISSの専門的診療や低酸素トレーニングをはじめ、現地での支援拠点活動などが、海外開催の冬季オリンピックで過去最多の8個のメダル獲得につながったと評価された。また、2010年8月に文部科学省によって策定された「スポーツ立国戦略」においては、JISSの国際競技力向上、生涯スポーツ、産学連携、国際戦略などの機能のさらなる強化を図るとして、これまで培ってきたスポーツ医学・科学の研究成果をスポーツ障害防止や日常的なスポーツ活動に還元する方策を検討することが盛り込まれた。
[編集部]
(鈴木正成 早稲田大学スポーツ科学学術院特任教授 / 2007年)
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