仕事や日常生活において必要とされる技能や技術の習熟度について、各国の成人を対象にして経済協力開発機構(OECD)が実施した国際比較調査。略称PIAAC(ピアック)。経済のグローバル化や知識基盤社会への世界的な移行にともない、各国の成人がもつ能力の現状や教育訓練制度の効果を把握することで、将来的な学校教育や職業訓練など施政上の方針の参考とすることを目的としている。2011~2012年に、OECD加盟国を中心とした世界24か国・地域で、無作為に抽出された16~65歳の男女約15万7000人を対象に実施され、2013年10月に結果が公表された。日本での調査は、国立教育政策研究所により5173人に対して行われた。
調査は三つの分野で、その内容と試された具体的なスキルは以下のとおりである。(1)読解力(文章を理解し、目標の達成に生かす能力)ホテルなどにある電話のかけ方の説明を読んで指定された相手に電話をする、図書館の蔵書検索システムを使って指定された条件に合う本を選ぶ、など。(2)数的思考力(数学的情報を計算し、その利用や解釈の方法を応用する能力)食品の成分表示を見て、その食品の一日の許容摂取量を答える、商品の生産量に関する表を見てグラフを作成する、など。(3)ITを活用した問題解決能力(パソコンやコミュニケーションツールなどを活用して問題を解決する能力)指定された条件を満たす商品をインターネットで購入する、表計算ソフトで作成された名簿を用いて条件を満たす人のリストを作成し、メールで送信する、など。
日本は読解力と数的思考力の2分野の平均得点で参加国中1位となり、ITを活用した問題解決能力はほぼ平均値に近い10位であった。フィンランド、オランダ、スウェーデンが3分野を通じて好成績を上げた。
[編集部]
(2013-10-11)
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