国際演劇協会(読み)こくさいえんげききょうかい(英語表記)The International Theatre Institute

日本大百科全書(ニッポニカ) 「国際演劇協会」の意味・わかりやすい解説

国際演劇協会
こくさいえんげききょうかい
The International Theatre Institute

演劇に関する国際組織。略称ITI。ユネスコ要請により演劇の国際組織をつくることが協議され、1948年チェコスロバキアのプラハ(現在はチェコの首都)で第1回大会が開かれ、22か国の代表団が出席して結成された。51年(昭和26)にITI日本センターが創立され、会長に高橋誠一郎、理事長に北村喜八が就任した。同年、オスロにおける第4回大会で国際組織への加入が承認された。60年北村の死後菅原卓(すがわらたかし)が理事長になるが、70年に菅原も亡くなり活動のほとんどが停滞していたが、同年暮れに再建総会が開かれ、会長高橋、理事長北条秀司(ひでじ)として東京・築地(つきじ)にあった日本演劇協会に事務局を併設することで新発足した。82年高橋の死により会長北条、副会長内村直也(なおや)で運営、その後会長は、内村(1985~90)、坂本朝一(ともかず)(1990~97)、永山武臣(たけおみ)(1998~2006)とかわっている。国際演劇月の活動、海外演劇講座および展覧会、『国際演劇年鑑』の刊行シンポジウムなどを行い、とくに恒例となった夏の古典芸能ワークショップは内外の高い評価を得るなど演劇の国際交流に努めている。加盟国は2001年現在、86か国および協力9か国に上っている。

藤田 洋]

『国際演劇協会日本センター編・刊『国際演劇年鑑』日本編・海外編(各年版)』

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改訂新版 世界大百科事典 「国際演劇協会」の意味・わかりやすい解説

国際演劇協会 (こくさいえんげききょうかい)
International Theatre Institute

1948年にユネスコの外郭団体として,演劇の国際交流を促進するために設立された。略称ITI。組織は,ユネスコの補助金と各国センターの分担金によって運営され,パリユネスコ本部にある事務局(理事国の選出する事務総長が統轄)を中心に活動。アメリカ,イギリス,フランス,ソ連など世界50ヵ国以上にセンターが置かれる。日本は51年に加入し,日本センターは会長高橋誠一郎,副会長河竹繁俊,理事長北村喜八で発足した。28番目の加盟国で,アジアではインドについで早い。日本センターは52年から国際演劇月を主催し,一時中断の後83年から再開,また71年から英文の演劇年鑑を発行し,日本演劇の海外への紹介を図っている。また日本センターは第三世界演劇祭(1971年マニラが初回)の創設に協力し,中国センターの加入承認に尽力するなど,アジアの代表として働き,たびたび理事国に推挙されている。
日本演劇協会
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百科事典マイペディア 「国際演劇協会」の意味・わかりやすい解説

国際演劇協会【こくさいえんげききょうかい】

International Theatre Instituteの訳。略称ITI。演劇の国際交流を目的として,1948年創設されたユネスコの外郭団体。本部はパリ,各国に支部がある。機関誌として季刊《世界演劇》を発行している。日本センターは1951年に設立。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「国際演劇協会」の意味・わかりやすい解説

国際演劇協会
こくさいえんげききょうかい
International Theatre Institute; ITI

国際連合教育科学文化機関 UNESCOの演劇部門を担当する国際民間団体。1948年 UNESCOの要請によって,演劇芸術の知識と実技の国際的交流を推進し,演劇を通して国際理解を深める目的で結成された。本部はパリの UNESCO本部にある。日本支部として国際演劇協会日本センターがある。

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