世界銀行グループに属する機関の一つで、最貧国を中心に教育や保健医療、農業、インフラなどの開発支援を担う。本部は米首都ワシントンで、1960年設立。略称はIDA。平時の貧困対策のほか、2010年のハイチ地震や、エボラ熱の流行といった危機対応でも財政支援を行ってきた。IDAの増資は3年に1度、関係各国が集まって資金提供の規模を定める。日本をはじめとする関係国からの拠出金を基に運用し、活用資金を増やしている。(ワシントン共同)
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略称IDA。開発途上国に対し、きわめて緩やかな条件で開発融資を行うことを目的とする国際金融機関。国際復興開発銀行(世界銀行)の融資活動を補充する機能をもつため、第二世銀ともよばれている。1960年に設立され、本部はワシントンにある。1961年には国際連合と連携協定を締結して国際連合の専門機関となった。加盟国は2008年7月現在で168か国で、日本は1960年(昭和35)12月27日に原加盟国として加盟した。IDAは独立の国際機構であるが、加盟国は世界銀行の加盟国であることが条件であること、総務会や理事会などの機関は世界銀行の機関が兼ねていること、事務局職員のほとんどは世界銀行の職員が兼ねていること、融資においても世界銀行の貸付とのバランスが図られていること、などの点で世界銀行と一体的に構成されかつ機能している。融資条件は世界銀行の商業ベースの貸付と異なり、無利子(ただし貸付実行残高に対し年0.75%の手数料を徴収)、貸付期間20~40年、据置期間10年とソフトローンであることが特徴である。IDAの財源は、加盟国の出資(2007年6月末で総額1684億ドル)によるものがほとんどで、そのほか世界銀行からの借入金および手数料収入でまかなわれている。IDAの融資は、経済的に貧困状態にある国(2009年度は1人当り国民総所得1095ドル以下)で、商業ベースの借入が困難でかつ優先度の高いプロジェクトを対象として行われる。融資先分野では農業・農村開発、運輸、ノン・プロジェクト援助、電力、教育などが上位を占め、設立以来のIDAの融資と贈与は、2008年7月までで総額1930億ドルに達している。2008年の新規融資の地域別割合をみると、サブサハラ・アフリカ地域が50%、南アジアが25%を占めている。国別では、融資額の多い順に、ベトナム、インド、バングラデシュ、エチオピア、ナイジェリアとなっている。
[横川 新]
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…95年6月末現在の投融資残高は1235億ドル。
【国際開発協会】
世界銀行の融資はその資金源の性格からいって商業ベースに乗ることが求められ,最貧国にとってはその借入れ・返済が困難であるため,1960年12月,国際開発協会International Development Association(IDA,通称第二世界銀行)が創立された。IDAは法律上も財政上も世界銀行とは別個の存在であるが同一の職員によって運営される。…
※「国際開発協会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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