略称IFC。発展途上国における生産的民間企業の育成を通じて経済開発の促進を図ることを目的とする国際金融機関。1955年の国際復興開発銀行(世界銀行)第10回総会で設置が決定され、翌56年7月20日に発足し、57年国際連合と連携協定を締結して国連の専門機関となった。本部は世界銀行と同じくワシントンに置かれ、総務会、理事会、事務局などの機構は世界銀行と一体的に構成されかつ機能している。世界銀行は加盟国政府または政府保証のある企業にのみ商業ベースで融資を行うが、IFCは政府保証のない発展途上国の民間企業に対し、民間投資家と協調して融資と株式投資を行っているのが特徴である。IFCの加盟国は世界銀行の加盟国に限られ、2008年8月現在179か国であり、日本は発足以来の原加盟国である。IFCの財源は加盟国の出資金(24億ドル)と世界銀行および国際金融市場からの借入金でまかなわれている。投資の契約調印残高は2006年6月末で216億ドル。地域別ではヨーロッパ・中央アジアが30%、ラテンアメリカ・カリブ海諸国30%、東アジア・太平洋諸国が15%、サハラ以南アフリカが9%などとなっており、融資対象は金融・保険、公益事業、石油・ガス・鉱業、運輸・倉庫などの民間企業への投融資と人材派遣や投資機会に関する助言の提供などの技術援助とに分かれている。
[横川 新]
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…1995年6月末現在の投融資残高は720億ドル。
【国際金融公社】
世界銀行の姉妹機関として,国際金融公社International Finance Corporation(IFC)が,とくに発展途上国の生産的な民間企業の育成助長と支援を目的として,1956年7月に設立された。その機能は単に民間部門に資金を貸与するだけでなく,財務,法務,技術の分野における助言をも提供する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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