毎年春と秋の2回、天皇、皇后両陛下が主催して東京・元赤坂の赤坂御苑で開かれるガーデンパーティー。三権の長のほか、都道府県知事、市町村長、中央省庁が推薦した産業、文化、芸術などの分野の功労者らが招かれ、両陛下や皇族が声をかけて回る。新型コロナウイルス禍前は食事やアルコール類が振る舞われた。起源は、明治時代に始まった「
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「郵便報知新聞‐明治一六年四月一七日」に、「昨日は立憲改進党団結の第一週年期に当るを以て、同党総理大隈君の邸に於て遊園会を開かる」とあり、当初は「遊園会」と呼ばれたことがわかる。
ガーデン・パーティgarden partyの訳。結婚披露,新築祝,外国からの賓客の歓迎などに,自宅や別荘の庭園,あるいは有名な庭園に多数の客をまねくレセプション(歓迎または接見)の一形式。イギリスのガーデン・パーティが手本なのでその概要をしるすと,晩春,初夏に芝生の緑と,満開の花壇と,新緑の木々とに飾られた庭園に客を招き,庭内の一部で音楽を奏し,テントを設けて紅茶(温かいものと冷やしたもの),サンドイッチ,冷やしたレモネード,クラレット(赤ブドウ酒),季節の果物などを準備する。招待状はたいてい家族同伴で,子どもづれの招待状を出す場合は,子どものよろこぶ余興を見せる。通例は午後3時以後から7時までだが,延長してダンス・パーティにする場合もある。イギリスでの起源は19世紀後半といわれ,日本では《明治事物起源》によれば,1883年大隈重信が早稲田の自邸で,改進党1周年を記念してひらいた〈遊園会〉が始まりであるといわれ,その後,庭内に模擬店を設けて,すし,汁粉,てんぷら,おでん,ビール,酒などを接待する形式をみるようになった。
執筆者:春山 行夫
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イギリスの女流作家K・マンスフィールドの短編小説集。1922年刊。表題の短編『園遊会』は、裕福な家庭の無垢(むく)の少女が、明るく楽しい園遊会の日に、初めて「死」と、貧しい人々の存在に直面する心理を巧みに描き出している。ほかにも、人間の孤独をテーマにした『ブリル女史』『見知らぬ者』、ニュージーランドの幼い日の思い出を材料にした『湾の一日』など、マンスフィールドの円熟期の傑作15編を収めている。作者の繊細な感受性と、人生を見つめる澄みきった目が印象的である。
[小松原茂雄]
『崎山正毅・伊沢龍雄訳『幸福・園遊会』(岩波文庫)』▽『安藤一郎訳『マンスフィールド短編集』(新潮文庫)』
ガーデン・パーティーgarden partyの訳。慶事、祝事の披露や寿宴、賀宴などに多数の客を収容するため、自邸の庭または名園などを利用して行う催し。19世紀後半、イギリスでビクトリア女王の誕生日に行われたのに始まり、のち国王の誕生日に関係なく催されるようになった。晩春、初夏のころ、花や緑の美しい庭園で開かれるのが通例で、軽食を供し、音楽や余興を添えたりする。日本で最初の現代風の園遊会としては、1883年(明治16)に総理大臣大隈重信(おおくましげのぶ)が、早稲田(わせだ)の自邸で立憲改進党結成1周年記念に党員百数十名を招いて行った遊園会がある。90年に東京府知事就任の披露会以後、園遊会というようになった。初めは園内に模擬店を設けて日本酒、ビール、すし、田楽(でんがく)、うどん、そば、団子、汁粉などを供し、能狂言、舞踊、楽隊演奏などを余興に行うのが普通で、芸妓(げいぎ)を接待係にしたりしたが、ビール、コーヒー、冷肉、果物、菓子などを用いる洋風の園遊会もしだいに行われるようになった。皇室主催の園遊会は春秋2回、東京の赤坂御苑(ぎょえん)で催される。
[佐藤農人]
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(2014-4-21)
… しかし,元来人間の心の動きは不定形で流動的で矛盾に満ちたものであるから,概念化できない要素をそぎ落としてしまう分析的言語によらずに,もっと直接的に心理を描写しようとする作家も多く,18世紀以来の英米文学にこの傾向が著しい。K.マンスフィールドは《園遊会》(1922)で印象派風の心理の点描法を試み,ジョイスは《ユリシーズ》(1922)で〈意識の流れ〉や〈内的独白〉の手法を創始した。ポーの諸短編が素描した〈あまのじゃく〉の心理は,ロシアのドストエフスキーによって無意識の深淵にまで追求され,心理分析小説の前提である古典力学的決定論を完全に無効にした。…
…1912年文学青年の貧しいオックスフォード大学生J.M.マリーと同棲(正式結婚は1918年)。彼の編集する《リズム》誌や《アシニアム》誌に,鋭いがきわめて主観的なエッセー,書評を載せるかたわら,《序曲》(1918),《幸福》(1920),《園遊会》(1922),《鳩の巣》(1923)などの短編集を続々発表。なかでも《序曲》などの,幼時経験を心の動きそのままに語る鮮烈,透明な作品群が最も優れている。…
…この時間に合わせて客を招き,紅茶とサンドイッチやケーキ,クッキーなどの軽食を供するのがティー・パーティである。19世紀後半の上流階級の間では,夏に催されるガーデン・パーティ(園遊会)も人気があり,飲食のみならず,しばしばクロッケーやアーチェリーなどの女性も参加できる〈上品な〉スポーツを伴った。ニュージーランド生れではあるが,K.マンスフィールドの《園遊会》(1922)に描かれているように,庭に大きなテントを張ったり楽隊を呼んだりもした。…
※「園遊会」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...
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