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地球環境政治 ちきゅうかんきょうせいじ eco-politics

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知恵蔵2015の解説

地球環境政治

1972年に「成長の限界」や「国連人間環境会議」が話題となったのが、地球環境問題が広く認識される始まりだが、当時は、基本的に「人間(人類)対自然」というとらえ方だった。しかし87年の「環境と開発に関する世界委員会」(ブルントラント委員会)報告の「持続可能な開発」の観念では南北格差と環境問題が結びつけられ、それを踏まえて92年の「地球サミット」や97年の京都議定書では、国家間の国際協力に重点をおくという意味で国際政治の問題となった。さらに21世紀に入り、中国、インドなどBRICs高度経済成長も加わり、地球資源をめぐる国家間競争が激化した。その結果、地球温暖化問題に関する協調と競争という両面性が深刻化し、環境問題は人間対自然でなく、何よりも人間対人間、また南北対立と先進国間対立という二重の国家間対立という意味で、政治化したエコポリティクスの問題となった。とりわけ、地球温暖化の問題は、政治、経済、安全保障、思想などの根本的な在り方の変容を必要としている。例えば、地球環境問題は、多様な政治経済主体の協調行動を必要としており、在来型の国家安全保障とは異なる安全保障方式、また企業や個人の、生態系への配慮と共生への道義的責任不可欠とするだろう。他面、気候変動環境破壊は、富の生産や配分の大きな変動の負荷を不平等に配分するため、多くの紛争を生み出す。気候変動がもたらす干ばつや資源の枯渇、土地生産性の低下、砂漠化などがその例であり、特に社会的な弱者である人々や地域は、ダメージをより強く受けることになる。その意味で、グローバルな公正や正義といった基準が重要な政治的争点となりつつある。

(遠藤誠治 成蹊大学教授 / 坂本義和 東京大学名誉教授 / 中村研一 北海道大学教授 / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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