赤朽葉(読み)アカクチバ

デジタル大辞泉 「赤朽葉」の意味・読み・例文・類語

あか‐くちば【赤朽葉】

染め色の名。赤みの多い朽葉色
かさねの色目の名。表は赤みを帯びた朽葉、裏は黄色。秋に着用する。

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精選版 日本国語大辞典 「赤朽葉」の意味・読み・例文・類語

あか‐くちば【赤朽葉】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 染色の名。朽ち葉色茶色)の赤みを帯びたもの。装束の、季節に用いる色としては秋に相当する。
    1. [初出の実例]「員刺(かずさし)の童、あかくちはの汗衫(かざみ)」(出典:延喜廿一年京極御息所褒子歌合(921))
  3. (かさね)色目の名。表は紅、中重(なかえ)は赤みがかった黄、裏は青色で、狩衣(かりぎぬ)、下襲(したがさね)などに用い、秋に着る。
    1. [初出の実例]「あかくちははよのつねの朽葉の赤きかたによりたる也」(出典:弄花抄(1510頃)乙女)

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色名がわかる辞典 「赤朽葉」の解説

あかくちば【赤朽葉】

色名の一つ。だいだいよりも、わずかに濃く、くすんだ色。地上に朽ちようとする落ち葉の色から名付けられた色名を朽葉色といい、これは橙色茶色がかった染色をさす。赤朽葉はそれよりも赤みの強い染色のこと。紅葉が散って間もない状態を連想させる優美な伝統色名。平安時代命名とされる。平安貴族たちは微妙な自然の変化衣装に反映させて季節を楽しんだ。

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