翻訳|confirmation
キリスト教で,洗礼に続いて聖霊の賜物によって強められることを表すサクラメント(秘跡)。キリスト者の洗礼は,水と霊によるもの(《ヨハネによる福音書》3:5)であるから,洗礼は同時に聖霊を受けたことを表すが,堅信は聖霊の賜物によってさらに力づけられ,キリスト者として成人し,あかしの使命を与えられるものとして洗礼と区別され(《使徒行伝》8:16~17),キリスト教への入信を完成させるサクラメントと考えられている。堅信式は,堅信の典礼であって,堅信礼とも呼ばれる。聖霊の賜物を受けたしるしとして,司教または司祭は受ける者の上に手を置き(按手礼),聖香油(クリスマ)を塗って十字架を印す。同時に,〈父の賜物である聖霊のしるしを受けなさい〉という言葉が唱えられて授けられる。その後,平和のあいさつが行われるが,これらはすでにヒッポリュトスの《使徒伝承》(215)に,洗礼に続く儀式として挙げられている。幼児洗礼を受けた者が成長して堅信を受ける場合,親と教会の信仰告白によって受けた洗礼を,〈使徒信条〉を信仰告白することで主体的に更新できるよう教話によってよく準備し,教会員としての自覚を新たにする機会となる。成人入信の場合は,洗礼式を補足するものとして続けて行うのが本来である。
執筆者:土屋 吉正
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…こうして秘跡の効果は,教会の奉仕者である秘跡執行者の倫理的状況いかんによるよりは,キリストによって成されたわざとしての秘跡自体の事効的効力opus operatumが重きをなすことになるのは当然である。ただ,秘跡執行者には教会の意図することを行う意向が必要であり,受領者には教会の秘跡を受けようとする意志が必要で,これに妨げを置かないことnon ponere obicemが前提とされること,また,洗礼,堅信,叙階の三秘跡は,受ける人の霊に消えることのない印章characterをしるすから生涯一度しか受けることができないことなどが,やがて神学者の間に共通に認められるところとなった。 教会が公会議で個々の秘跡の七つの数を信仰宣言の中に初めて取り上げたのは,東方正教会との合同の問題を扱った第2リヨン公会議(1274)においてである。…
※「堅信」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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