海底火山(読み)カイテイカザン

デジタル大辞泉 「海底火山」の意味・読み・例文・類語

かいてい‐かざん〔‐クワザン〕【海底火山】

海底からの噴出物の堆積などによって生じた火山。海面上に現れて島になることもある。
[類語]火山噴火山死火山休火山活火山単成火山複成火山単式火山複式火山外輪山内輪山噴火口火口火口原火山帯クレーターカルデラ

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精選版 日本国語大辞典 「海底火山」の意味・読み・例文・類語

かいてい‐かざん‥クヮザン【海底火山】

  1. 〘 名詞 〙 海底に生じた火山。噴出物の堆積や海底の隆起で、頂上が海上に出現し、火山島となる場合がある。クラカタウ火山、明神礁など。海中火山
    1. [初出の実例]「海底火山の流動質中に、番瀝青状粘土級、石炭を夾む者尤も多し」(出典:窮理通(1836)二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「海底火山」の意味・わかりやすい解説

海底火山
かいていかざん

海底で噴火がおこってできた火山。中央海嶺(かいれい)には無数の火山が存在する。浅海でできた火山は、噴出物が堆積(たいせき)して海上に出現することがある。しかし、その多くは波浪による侵食などで水没する。1952年(昭和27)に伊豆諸島海域に誕生した明神礁(みょうじんしょう)のように、海上に現れる前に、激しいマグマ水蒸気爆発をしばしばおこす。1934年(昭和9)誕生の鹿児島県硫黄(いおう)島新島や1973~1974年に小笠原(おがさわら)諸島の西之島付近に生じた新島が新しく出現した火山島の例である。水深数百メートルまでの浅海底での噴火は、水面の噴騰、変色、死魚や軽石の浮上などによって認められる。太平洋や、大西洋などの深海でできる火山では、水圧が大きく、噴火はおもに穏やかな溶岩流出型であるため、海上から噴火現象を認めることは困難である。

[諏訪 彰・中田節也]

『青木斌・小坂丈予編『海底火山の謎――西之島踏査記』(1974・東海大学出版会)』『小坂丈予著『日本近海における海底火山の噴火』(1991・東海大学出版会)』

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改訂新版 世界大百科事典 「海底火山」の意味・わかりやすい解説

海底火山 (かいていかざん)
submarine volcano

海洋底にある火山はすべて海底火山と呼ばれるが,とくに深海底に分布する火山は構成岩石や内部構造などが陸上の火山とはまったく異なる。この種の海底火山は主として玄武岩の溶岩(とくに枕状溶岩)から成り,比高数千mを超える巨大なものも多い。これらはマグマが海洋プレートの上部マントルから直接海底に噴き出したもので,太平洋,大西洋,インド洋などに1万個以上存在する。深海底で起こる火山噴火の徴候が,海面で観察されることはまれである。日本近海でしばしば観察される海底火山の爆発は,みなきわめて浅い海底(ふつう100m以浅)で起こったものであり,火山も日本列島上のものと同じ種類の岩石から成っている。このような浅海底での爆発の結果,多量の軽石が流れ,海水の変色域がひろがり,ときには巨大な水柱を生じるのが見られる。
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百科事典マイペディア 「海底火山」の意味・わかりやすい解説

海底火山【かいていかざん】

海山と全大洋の大部分を占める深海海丘は海底火山である。深海噴火は水圧のため特異な形式を有し,火山灰を伴わないで溶岩を流出し,堆積物をはさみながら楯(たて)状火山を形成し,海面に達するまでは共通した山形を有する。火山島になると側方に成長し,初めてカルデラを生ずる。死火山となれば沈下してサンゴ礁,ギヨーになる。岩石は大洋性ソレイアイト質の玄武岩。→海底噴火

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「海底火山」の意味・わかりやすい解説

海底火山
かいていかざん
submarine volcano

海底に噴火してできた火山。海山の列をなすものが多い。大洋底に噴出する火山は玄武岩でできている。大西洋の中央部を南北に走る大西洋中央海嶺ハワイ諸島,サンゴ礁の発達する多くの火山島などはこの例。大陸に近い海底火山には玄武岩もあるが,安山岩でできているものもある。富士火山帯の南にある明神礁はやや酸性の岩石から成る海底火山で,以前に何回も噴火したが,1952年には溶岩が海面上に出て火山島となり,のちに海底に没した。同年9月調査中の『第5海洋丸』が爆発に遭遇して全員が死亡した。

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