債務が履行されたならば、債権者が得たであろう利益の全部の賠償をいう。たとえば、借家人が、時価3000万円の借家を、過失によって焼失したような場合に、損害賠償として3000万円を支払うのが、この賠償の適例である。履行不能の場合には、本来の履行にかわる填補賠償に限られる。給付が一部実現不能である場合において、給付が不可分であるか、可分ではあるが残部だけでは債権の目的を達することができない場合は、残部の受領を拒絶して、全部に該当する填補賠償を請求することができる。履行遅滞の場合には、遅延そのものによる損害の賠償(遅延賠償)である。ただ、一定の日時または一定の期間に履行されなければ契約の目的を達せられない定期行為(民法542条)の場合や、遅滞後の履行が、債権者にとって無意味であるという特別の事情がある場合には、例外的に、履行遅滞による填補賠償の請求が認められることとなる。
[竹内俊雄]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
…また,賠償すべき損害には,財産的損害のほか精神的損害も含まれる。なお,履行の遅延により生じた損害の賠償を遅延賠償,本来の給付に代わる損害の賠償を塡補(てんぽ)賠償といい,履行不能を理由として請求する損害賠償はこの塡補賠償である。 以上の債務不履行による損害賠償については,次の三つの例外がある。…
※「填補賠償」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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