デジタル大辞泉 「多系統萎縮症」の意味・読み・例文・類語
たけいとう‐いしゅくしょう〔‐ヰシユクシヤウ〕【多系統萎縮症】
[補説]かつては、小脳性運動失調を主な症状とするものをオリーブ橋小脳萎縮症、パーキンソン病に似た症状を呈するものを線条体黒質変性症、立ちくらみ・失神・尿失禁などの自律神経症状を主な症状とするものをシャイ・ドレーガー症候群として区別していたが、これらの病気は、進行すると症状が重複してくることや、神経細胞に共通の病変がみられることから、多系統萎縮症と総称されるようになった。
出典 内科学 第10版内科学 第10版について 情報
神経細胞に原因不明の広範な変性を認める神経変性疾患。英語名称はmultiple system atrophyで、略称MSA。多様な病理像を示すため、それらをどうとらえるかでさまざまな分類がなされてきた。脊髄(せきずい)小脳変性症のなかでもっとも多く、運動失調に構音障害を伴うOPCA(オリーブ橋小脳委縮症、olivopontocerebellar atrophy)、パーキンソン症候群の症状に排尿障害や起立性低血圧などを伴うSND(線条体黒質変性症、striatonigral degeneration)、自律神経系の失調症状に運動機能障害を伴うSDS(シャイ‐ドレーガー症候群、Shy-Drager syndrome)の三つを包括する疾患概念として多系統委縮症とよばれることになった。2003年度(平成15)からこの名称で特定疾患(難病)に指定されている。2008年にはMSAに関する新しいコンセンサスが発表され、細かい診断基準が示された。具体的にはパーキンソン症状や小脳症状および自律神経障害などがみられたときに、definite MSA(線条体黒質変性またはオリーブ橋小脳変性を伴う)、probable MSA(自律神経障害と、パーキンソン症状の一部か小脳症状を呈する)、possible MSA(自律神経障害、パーキンソン症状か小脳症状の少なくとも一つを呈する)に分類され、さらにパーキンソン症状が多く認められるパーキンソン症候群型(MSA-P)と小脳症状が多く認められる小脳失調型(MSA-C)に分類される。またprobable MSA とpossible MSA は、30歳以降に発症する孤発性で進行性の変性疾患と定義されている。
[編集部]
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