夢判断(読み)ゆめはんだん(英語表記)Die Traumdeutung

  • 夢判断 Die Traumdeutung

世界大百科事典 第2版の解説

S.フロイト不朽業績の一つで,1900年に刊行された著作。当時,は無意味な現象として,まじめな研究の対象とされなかったが,フロイトは夢こそ無意識の世界に至る王道と考え,多くの夢を集めて,夢の意味とそれが生まれる機制を探求した。そしてわれわれの見る夢(顕在夢)は,抑圧された無意識的願望(潜在する夢思考)が,自我検閲によってさまざまに歪曲され,象徴化されて現れた代理物にほかならないことを明らかにした。

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精選版 日本国語大辞典の解説

[1]
① 夢の吉凶を判断すること。夢判じ。ゆめうら。
※落語・千両富(1893)〈禽語楼小さん〉「今迄理窟判断夢判談、前兆(けんとく)も色々占(み)たが何(ど)うも当らなかったのは此方(こっち)の運が至らなかった」
② 精神分析の方法の一つ。夢を手がかりとして深層の自我を明らかにすること。
[2] (原題Die Traumdeutung) 心理学書。フロイト著。一九〇〇年刊。夢は願望の充足をめざす潜在意識が、象徴化、視覚像化、変装、歪曲(わいきょく)されて意識化したものと規定。精神分析の入門書として知られる。「夢解釈」とも訳す。

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世界大百科事典内の夢判断の言及

【象徴】より

…なかでも,S.フロイト,C.G.ユングを代表とする精神分析,深層心理学の業績はそれ以後の象徴研究に大きな影響を与えた。 フロイトは《夢判断》(1900)のなかで,(1)の象徴では,特定の表象(蛇,杖など)によって別の表象(ペニス)が置き換えられる。(2)その両表象間の関係は現実的なものではなく内的な連想関係に基づく。…

【フロイト】より

…この〈フリース期〉において,フロイトは自己の理論の展開に対する体験的基盤を獲得したといえる。
[理論と技法の深化]
 フリースへの傾倒の終焉(しゆうえん)のさなかに書かれた大著《夢判断》(1900)には,自己分析に終始したこのフリース体験が生かされている。フロイト自身,夢は一種の可逆的な精神病であると述べているが,夢の象徴や夢の形成理論は,当時のチューリヒ学派(E.ブロイラーとC.G.ユング)によって,精神分裂病の理解のための有力な武器とされた。…

【夢】より

…しかし,近代以降合理精神が普及するにつれ,一般に夢は日常生活とはほとんど関係のない幻想であり,非合理的で意味のないものとして,長くその意義は少なくとも表面上は忘れられていた。 夢の意味は,1900年に公刊されたS.フロイトの《夢判断》という著書により,心の深層を表すものとして再発見された。フロイトによれば,夢は日常の意識が低下した時に心の深層から現れる無意識的な願望の充足であって,意識が受け入れようとしなかった過去の抑圧された願望内容を暗示するものである。…

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