大仏宣時(読み)おさらぎ・のぶとき

朝日日本歴史人物事典 「大仏宣時」の解説

大仏宣時

没年元亨3.6.30(1323.8.2)
生年暦仁1(1238)
鎌倉後期武士北条朝直の子。文永2(1265)年に引付衆,10年に評定衆となり,弘安7(1284)年に北条貞時が執権になると,10年間にわたりそれを補佐する連署となる。また佐渡,遠江守護としても鎌倉幕府の体制を支えた。やがて正安3(1301)年に貞時が執権をやめると,同じく連署を辞して出家。法名は忍照。その後は京に出たのであろう。吉田(卜部)兼好とも親交があって,北条時頼昔話を伝えており,『徒然草』にその話が載る。

(五味文彦)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大仏宣時」の解説

大仏宣時 おさらぎ-のぶとき

1238-1323 鎌倉時代の武将
暦仁(りゃくにん)元年生まれ。大仏(北条)朝直(ともなお)の子。武蔵守(むさしのかみ),評定衆をへて,建治(けんじ)3年引付頭。弘安(こうあん)10年連署となり,執権北条貞時を補佐した。のち陸奥守(むつのかみ)に転じた。正安(しょうあん)3年連署を辞任し,出家。歌人としても知られた。元亨(げんこう)3年6月30日死去。86歳。通称は武蔵五郎。初名は時忠(ときただ)。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

山川 日本史小辞典 改訂新版 「大仏宣時」の解説

大仏宣時
おさらぎのぶとき

1238~1323.6.30

鎌倉中・後期の武将。父は大仏(北条)朝直。1273年(文永10)評定衆,87年(弘安10)連署となる。1301年(正安3)連署を退き,出家。歌人としても活躍した。「徒然草」には北条時頼に夜中によび出され,味噌を肴に酒を飲んだ逸話がみえる。

出典 山川出版社「山川 日本史小辞典 改訂新版」山川 日本史小辞典 改訂新版について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android