日高山脈北部、上川支庁
出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
北海道中南部、胆振(いぶり)支庁(現、胆振総合振興局)管内にあった旧町名(鵡川町(ちょう))。現在は勇払(ゆうふつ)郡むかわ町の南部を占める地域。旧鵡川町は1953年(昭和28)町制施行。2006年(平成18)、勇払郡穂別町(ほべつちょう)と合併してむかわ町となる。旧町域は鵡川の下流域を占め、太平洋に臨む。JR日高(ひだか)本線、国道235号が沿岸を走る。日高振興局管内に接し、日高地方の色彩が濃い。1882年(明治15)山口県の移民により開拓が始まり、鵡川流域はしだいに耕地化された。夏は暑く、冬は積雪が少ない恵まれた気象条件、灌漑(かんがい)施設の整備などから鵡川の中流・下流域は肥沃(ひよく)な水田となり、胆振地方有数の米どころとなっている。段丘や台地には酪農地や競走馬生産の牧場がみられ、米の生産調整によるホウレンソウや花卉(かき)などの畑作も行われる。鵡川河口に漁港があり、秋のシシャモ漁で知られる。最盛期に漁家の軒先にシシャモを乾燥する簾(すだれ)が並ぶさまは壮観であるが、資源減少のため孵化(ふか)事業が行われている。苫小牧東部工業地域(とまこまいとうぶこうぎょうちいき)の用水供給源として鵡川が重要視されたが、開発の停滞により同地域には苫小牧工業用水が供給されている。
[奈良部理]
『『鵡川町史』(1968・鵡川町)』
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