連署(読み)れんしょ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

連署
れんしょ

他者の名に連続して署名すること。法律および政令にはすべて主任の国務大臣が署名し,内閣総理大臣が連署することになっている (日本国憲法 74) 。 (→副署 )  

連署
れんしょ

鎌倉幕府の職名。元来は文書連名署判すること (連判ともいう) をさした。鎌倉幕府では執権に次ぐ要職で,執権の補佐役として政務を司り,幕府が発布する公文書下文 (くだしぶみ) ,下知状御教書 (みぎょうしょ) に執権とともに署判した。元仁1 (1224) 年北条泰時が執権のとき,叔父時房がこの職に補せられたのがその始り。以後,北条氏一門の有力者が任命され,なかには連署に就任したのち執権に進む者もあった。

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デジタル大辞泉の解説

れん‐しょ【連署】

[名](スル)
同一の書面に二人以上の者が署名すること。また、その署名。「正副委員長が連署する」
鎌倉幕府の職名。執権を補佐し、幕府の公文書に執権とともに署判する重職

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百科事典マイペディアの解説

連署【れんしょ】

(1)鎌倉幕府の職名。執権を補佐して政務を主宰する。北条泰時が執権となったとき,北条時房が任ぜられたのを初めとし,代々北条氏一門が補任(ぶにん)された。(2)連ねて書いた署名。法律・政令には,主務大臣の署名に内閣総理大臣の連署が必要とされる(憲法74条)。また地方自治法に定める直接請求を行う場合,条例の制定・改廃および監査請求には有権者総数の50分の1以上の連署,議会の解散請求および議員・長・役職員の解職請求には同じく3分の1以上の連署が必要とされる。
→関連項目金沢貞顕下知状執権政治北条時房

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世界大百科事典 第2版の解説

れんしょ【連署】

(1)1通の文書に複数の者がその官姓名,花押を列記すること。この場合,おおむね身分の高い者,上席者が宛所に近い後部に記される。ただし包紙のように上部に宛所,下部に差出者を記すものは普通の席次をもって行い,かつ多くの場合に連名者中の首末2名のみを記した。【笠谷 和比古】(2)鎌倉幕府の職名。執権を助けて政務を行い,執権とともに幕府発給の文書(政所下文(まんどころくだしぶみ),下知状(げちじよう),御教書(みぎようしよ)など)に署判するところからこの称がある。

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大辞林 第三版の解説

れんしょ【連署】

( 名 ) スル
同一書面に二人以上の者が署名すること。
鎌倉幕府において執権を補佐しつつ政務に参画する重職。幕府発給の公文書に、執権とともに署判を加えたための名。執権に近い北条氏一門の有力者・長老の中から選ばれたが、設置されない場合もあった。

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精選版 日本国語大辞典の解説

れん‐じょ【連署】

〘名〙 (後世は「れんしょ」)
① 一通の文書に二人以上の者がその姓名を列記し、また花押を書くなどすること。また、その文書。連判。
※続日本紀‐養老元年(717)四月壬辰「其有乞食者、三綱連署、午前捧鉢告乞」
太平記(14C後)二六「討死せんと思て過去帳に入たりし連署(レンショ)の兵百十三人」 〔北史‐顔之推伝〕
② 鎌倉幕府の職名。執権を助けて政務を総裁し、幕府の公文書である下知状・御教書に並んで署判する重職。執権、連署を合わせて両執権・両執事、または両後見などと称する。北条氏一門の有力者が任ぜられた。連判。

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世界大百科事典内の連署の言及

【執権】より

…13年(建保1)和田義盛の滅亡後,執権北条義時は和田氏が持っていた侍所別当をも奪い,北条氏は政所・侍所別当を独占するようになった。25年(嘉禄1)執権泰時は連署を置いたが,当時執権,連署はともに執権と呼ばれたから,これ以来執権が2名になったものとみてよく,関東下知状,御教書などの公文書は,両執権の名で発布されるようになった。執権は最初は北条氏の家督(得宗)に伝えられたが,56年(康元1)北条時頼が長時に執権を譲って以来,得宗以外のものも執権に就任するようになった。…

【署名】より

…以上は,小切手法上の署名(小切手法67条)についてもあてはまる。手形行為【今井 潔】
[公法上の署名]
 (1)法律・政令の署名 法律・政令には主任の国務大臣が署名し,内閣総理大臣が連署することを必要とする(日本国憲法74条)。連署とは,他の者の署名にそえて署名することをいい,副署も同義であるが,明治憲法下では,天皇の親書にそえて国務大臣が署名することをとくに副署と呼んでいた。…

【探題】より

…もともとは前記の仏教用語に発するもので,その論題の判定機能のゆえに幕府の裁判担当者の職名に転じたとみなされている。鎌倉幕府では東国の執権・連署が探題と呼ばれ,また西国・九州を単位としてそれぞれ六波羅探題・鎮西探題が置かれたが,その職名は通称であって,正式の職名ではなかったようである。室町幕府では幕府や関東府の管領・執事が探題と呼ばれた例はなく,それ以外の広い地域の管領権を有する職についてのみ探題と呼ばれた。…

【売券】より

… 現在だけでなく将来においても,売買契約が正確に遵守されるためには,売主はさまざまの保証義務を負った。その一つに保証人の連署がある。各時代を通じて売主の家族,とくに嫡男の加署が圧倒的に多く,その他庶子や夫妻の署名も少なくない。…

【北条泰時】より

…泰時の伯母である政子は,当時実質的な将軍の役割を果たしていたが,翌25年(嘉禄1)に没し,これを契機に泰時は大いに政治改革を行った。 泰時は執権とならんで執権を補佐する連署を置き,六波羅にいた時房をこれに任じた。また評定衆を置き,中原師員(もろかず),三浦義村ら11名をこれに任じた。…

【連判】より

…〈れんばん〉とも読む。類似の語に連署があるが,これは必ずしも花押・印を伴わず署名のみのときにも用いられる。また連署の呼称は奈良時代より見え,近世に及ぶが,連判は主として中世以後用いられた。…

※「連署」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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