日本大百科全書(ニッポニカ) 「大木実」の意味・わかりやすい解説
大木実
おおきみのる
(1913―1996)
詩人。東京生まれ。8歳で生母と死別、10歳のとき関東大震災のため継母と弟妹を失った。電機学校中退。少年時代から北原白秋、西条八十(やそ)の童謡に親しみ、長じて佐藤春夫、室生犀星(むろうさいせい)、ドストエフスキー、フィリップの作品に傾倒した。堀辰雄(たつお)らの詩誌『四季』に寄稿、1942年(昭和17)同人となった。質朴な一生活者としての人生の哀歓を歌い、人生的旅情を漂わせている。詩集に『場末の子』(1939)、『屋根』(1941)、『故郷』(1943)、『天の川』(1957)、『冬の仕度』(1971)などがある。第四次『四季』(1967~75)同人。
[飛高隆夫]
『『日本の詩23 近代詩集2』(1979・集英社)』
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