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大西克礼 おおにしよしのり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

大西克礼
おおにしよしのり

[生]1888.10.4. 愛媛
[没]1959.2.6. 福岡
美学者。東京帝国大学卒業後,ヨーロッパに留学。帰国後,大塚保治に次いで同大学美学講座を担当。『現代美学の問題』 (1927) や『現象学派の美学』 (37) などで啓蒙活動を行うかたわら,『カント「判断力批判」の研究』 (31) など,高度の学術研究も進める。また日本美の重要概念を美学体系に組入れようと試みた (『幽玄とあはれ』〈39〉,『風雅論』〈40〉など) 。死後出版された『美学』 (上下2巻,59~60) は,西欧の伝統的美学に,日本の美意識,美的概念をも取込んだ美学体系である。

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デジタル版 日本人名大辞典+Plusの解説

大西克礼 おおにし-よしのり

1888-1959 大正-昭和時代の美学者。
明治21年10月4日生まれ。昭和2年母校東京帝大の助教授のとき,ドイツ,フランス,イタリアへ留学。帰国後の6年教授となり,美学,美術史を担当。日本的美意識を研究対象とした独自の美学体系をつくりあげた。昭和34年2月6日死去。70歳。愛媛県出身。著作に「幽玄とあはれ」「風雅論」「美学」など。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

大西克礼
おおにしよしのり
(1888―1959)

大正・昭和の美学者。東京生まれ。東京大学文学部哲学科で美学を専攻、1913年(大正2)卒業に際し銀時計を受けた。続いて大学院に入学、1922年同大学の講師、1927年(昭和2)助教授に任ぜられ、同年から翌1928年にかけてドイツ、フランス、イタリアへ留学。1929年より文学部の美学美術史第一講座を担任、美学を講じ、1930年文学博士ならびに教授となり、1946年(昭和21)帝国学士院会員、1949年停年退官した。主要著書に『幽玄とあはれ』(1939)、『風雅論』(1940)、『万葉集の自然感情』(1943)などがある。[永井信一]

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世界大百科事典内の大西克礼の言及

【美】より

…このように遍在する各種の美の主要類型を美的範疇ästhetische Kategorienと呼ぶが,美的範疇論においては狭義の美(純粋美)も優美,悲壮,滑稽などと同列に位するものとして扱われる。なお,日本における美的範疇論では〈幽玄〉〈あはれ〉〈さび〉の位置を見定めた大西克礼(よしのり)(《美学》2巻,1959‐60),〈いき〉を解明した九鬼周造(《“いき”の構造》1930)を忘れることはできない。 さて芸術作品には上記のごときもろもろの美が表現されて定かな姿をとるが,そればかりでなく,芸術の本質は芸術家の意図にもとづく新たな美的価値の創造にあり,それゆえ美は芸術美(建築美,音楽美等々)としていっそう多様な充実をみせることになる。…

【優美】より

…だがさかのぼればギリシア語カリスcharisに発する概念ゆえ論者は他にも数多くあり,それら諸説の検討成果を大著《優美の美学》(1933)にまとめたのはバイエRaymond Bayerである。さらにこれをも批判的に詳解して大西克礼は美的範疇論における優美の位置を厳正的確に論じている。【細井 雄介】。…

※「大西克礼」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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