大谷祖(読み)おおたにそびよう(ひがしおおたに)

日本歴史地名大系 「大谷祖」の解説

大谷祖(東大谷)
おおたにそびよう(ひがしおおたに)

[現在地名]東山区円山

真宗の開祖親鸞の廟所。本尊親鸞像。真宗大谷派に属し、俗に東大谷と称する。円山まるやま公園の南に隣接し、本堂書院・札席・輪番所・参勤者控所・鐘楼・納骨堂・唐門・茶所などがある。東大谷は慶長七年(一六〇二)本願寺教如が徳川家康から洛中東六条(現京都市下京区)寺地寄進をうけ、東本願寺を創立、境内の南西に祖廟を設けたことに始まる。東本願寺第三代琢如が寛文一〇年(一六七〇)現在地に移転し、廟所を建立した。「叢林集」は「東山今の大谷御墓の事」として次のように記す。

<資料は省略されています>

中央に代々伝持の祖師の墓を、左に教如、右に宣如の墓を築造し、いわゆる三基一廟の廟所である。建立年次に関して、「大谷一流諸家分脈系図」は琢如の項に「承応二年洛東大谷祖廟再建」と記し、それ以前の建立で承応二年(一六五三)に再建したように伝える。だが大谷屋敷証文(「粟津家文書」大谷大学蔵)中の、寛文八年三月一三日の青蓮しようれん(現東山区)平野仲安より東本願寺家臣山岸将監宛書状に「青蓮院様御領知之内、南畠袋中庵屋敷、御本所へ御付届被遊、別儀依之不残指上申候ニ付、為御礼金子三百両被下、慥請取忝奉存候」とあり、さらには双林そうりん寺漢阿弥、長楽ちようらく寺与阿弥、安養あんよう(以上現東山区)也阿弥などから同趣旨の書状が出されており、寛文八年には廟所の寺地が決定している。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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