太史(読み)タイシ(その他表記)tài shǐ

デジタル大辞泉 「太史」の意味・読み・例文・類語

たい‐し【太史/大史】

古代中国官名天文暦法、また、国の法規や宮廷内の諸記録のことなどをつかさどった史官および暦官の長。

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精選版 日本国語大辞典 「太史」の意味・読み・例文・類語

たい‐し【太史・大史】

  1. 〘 名詞 〙 中国、古代の官名。史官および暦官の長。天文・暦法、また、国の法規や宮廷内の諸記録のことなどをつかさどった。大史局の長。
    1. [初出の実例]「明朝大史何来奏、更有文星映玉簾」(出典菅家文草(900頃)五・七夕)
    2. 「天子の御傍(かたはら)には、大史の官とて八人の臣下長時に伺候して」(出典:太平記(14C後)三五)
    3. [その他の文献]〔礼記‐月令〕

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改訂新版 世界大百科事典 「太史」の意味・わかりやすい解説

太史 (たいし)
tài shǐ

中国の官名の一つ。殷代には矢の命中を数える官として史が置かれたが,周になると天文,暦法,卜筮(ぼくぜい)をつかさどる太史が設けられた。暦や占卜に関連して記録も担当したことから史官としての性格をやがてもつにいたる。漢代では世襲の官として太史公が置かれ司馬遷がそれについた。史官としての地位は漢初が最高で,それ以後,軽くなり,魏・晋以後は史官の専職として著作郎などが置かれ,太史の職掌は本来の天文・暦法関係に限られ宋・元時代まで続いた。
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