太融寺（読み）たいゆうじ

日本歴史地名大系

太融寺
たいゆうじ

• 大阪府：大阪市
• 北区
• 北野村
• 太融寺

[現在地名]北区太融寺町

北野（きたの）の太融寺として親しまれる。高野山真言宗、準別格本山、山号佳木山、本尊千手観世音菩薩。摂津国八十八ヵ所霊場の六番札所。寺伝によると、弘仁一二年（八二一）空海が嵯峨天皇の勅願によって開創し当初宝樹院と号したが、清和天皇のとき左大臣源融が八町四面を寺域として七堂伽藍を建立し、融の諱による現寺号を下賜されたという。承元年間（一二〇七―一一）後鳥羽上皇が参詣したとも伝え、「多聞院日記」天正一九年（一五九一）四月一二日条に「仁王経ノ円測疏摂州大融寺ニ在之、（中略）彼寺ハ融ノ大臣ノ建立ノ寺ナル故云也、彼寺ノ宝物ニテ、小野篁一筆ノ大般若一部并弘法ノ自筆ノ仁王疏在之」などとみえる。

出典　平凡社「日本歴史地名大系」

デジタル大辞泉プラス

太融(たいゆう)寺

大阪府大阪市北区にある高野山真言宗の寺院。山号は佳木山、本尊は千手観世音菩薩。寺伝では嵯峨天皇の勅願により空海が開創とする。太平洋戦争末期の空襲により全伽藍を焼失、現在の建物は戦後再建されたもの。

出典　小学館