奈良岡朋子（読み）ならおかともこ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

奈良岡朋子
ならおかともこ

[生]1929.12.1. 東京，東京
[没]2023.3.23. 東京
俳優，声優，ナレーター。新劇を代表する俳優として，現代演劇界を牽引した。
東京市本郷区（現東京都文京区）生まれ。1945年に洋画家である父親の故郷，青森県弘前市に疎開。女子美術大学在学中の 1948年，民衆芸術劇場の研究生となる。1950年，劇団民藝の創設に参加し，旗揚げ公演『かもめ』に出演。1954年の『煉瓦女工』で初の主役を演じる。2000年に劇団代表の滝沢修が亡くなると，同期生の大滝秀治と劇団共同代表を務め，大滝の死後は一人で代表を務めた。2005～06年に無名塾の仲代達矢と共演した『ドライビング・ミス・デイジー』は大きな評判を呼ぶ。舞台のほか，テレビドラマのナレーターや映画の吹き替えでも活躍。ジャンヌ・モローやキャサリン・ヘップバーンの声を担当した。1981年菊田一夫演劇賞，1992年紫綬褒章，2000年勲四等宝冠章など受賞・受章多数。

出典　ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典

デジタル版 日本人名大辞典+Plus

奈良岡朋子 ならおか-ともこ

1929－　昭和後期-平成時代の女優。
昭和4年12月1日生まれ。奈良岡正夫の娘。民衆芸術劇場をへて,昭和26年劇団民芸に入団。29年「煉瓦女工」で初主役。「イルクーツク物語」のワーリャ役,「奇跡の人」のサリバン役などで知られる。映画「証人の椅子」「どですかでん」,テレビ「女の家」シリーズなどでも活躍。平成17年「ドライビング・ミス・デイジー」で芸術祭大賞。平成18年「火山灰地」「ドライビング・ミス・デイジー」の演技で朝日舞台芸術賞,毎日芸術賞。東京出身。女子美大卒。

出典　講談社