大滝秀治(読み)オオタキヒデジ

デジタル大辞泉 「大滝秀治」の意味・読み・例文・類語

おおたき‐ひでじ〔おほたきひでヂ〕【大滝秀治】

[1925~2012]俳優東京の生まれ。昭和25年(1950)、劇団民芸の創設時に研究生として参加。昭和45年(1970)に「審判」の演技で注目された後は、民芸の看板俳優として活躍した。映画テレビにも進出し「影武者」「お葬式」などに出演。平成23年(2011)文化功労者

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「大滝秀治」の意味・わかりやすい解説

大滝秀治
おおたきひでじ

[生]1925.6.6. 東京
[没]2012.10.2. 東京
俳優。旧制私立駒込中学校卒業後に民衆芸術劇場(→劇団民芸)附属養成所1期生となり,1950年,劇団民芸旗揚げ公演『かもめ』に出演。裏方が長く続いたが,1970年『審判』で紀伊国屋演劇賞受賞。民芸の看板俳優の一人となり,創設者の宇野重吉没後奈良岡朋子とともに代表を担った。2005年『巨匠』『浅草物語』で読売演劇大賞と最優秀男優賞,2009年『らくだ』で文化庁芸術祭賞大賞を受賞。独特のかん高くてかすれた声に,飄々としてときに激昂する芸風が人気を集め,1970年代半ばからはテレビや映画,コマーシャルにも多数起用された。テレビは日本放送協会 NHKの大河ドラマや『特捜最前線』『うちのホンカン』,映画では市川崑や伊丹十三作品などを中心に,残忍な悪役から貫禄のある大物,固陋な老人といった個性的な役どころを演じることが多かった。1988年紫綬褒章を受章,2011年文化功労者に選ばれた。

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百科事典マイペディア 「大滝秀治」の意味・わかりやすい解説

大滝秀治【おおたきひでじ】

俳優。東京都文京区出身。旧制駒込中学卒業後,電話局に勤務,1945年通信兵として召集される。1948年東京民衆芸術劇場(第一次民芸)の付属養成所に一期生として入る。東京民衆芸術劇場の後身として設立された劇団民芸に参加,旗揚げ公演の《かもめ》(チェーホフ)に出演。独特の甲高くくぐもる発声のため,セリフが聴き取りにくく,戦前からの名優や有望な若手俳優の揃う劇団で俳優として役に恵まれず,長く裏方生活を送った。1970年,《審判》の演技で45歳で紀伊国屋演劇賞を受賞,以後,民芸を担う俳優に成長した。2005年《巨匠》,《浅草物語》で読売演劇大賞と最優秀男優賞,《らくだ》で文化庁芸術大賞を受賞,名優とよばれる存在となる。映画でも,伊丹十三監督らに重用され,名脇役として数々の受賞を果たした。宇野重吉の没後,奈良岡朋子と劇団民芸の共同代表。文化功労者(2011年)。

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知恵蔵mini 「大滝秀治」の解説

大滝秀治

日本の俳優。1925年6月6日生まれ、東京都出身。ひょうひょうとした表情と甲高い独特な声で、20代から老け役を演じ、晩年にテレビCMで人気となった。舞台・テレビドラマ・映画・テレビコマーシャルと60年以上にわたり幅広く活躍してきた。劇団民藝に所属し、宇野重吉没後には奈良岡朋子と共に代表を担って同劇団の中心人物として活躍していた。70年「審判」で紀伊国屋演劇賞。05年「巨匠」「浅草物語」で読売演劇大賞。09年「らくだ」は文化庁芸術祭(演劇部門)で大賞。映画では76年「不毛地帯」「あにいもうと」でブルーリボン賞助演男優賞。11年度に文化功労者。2012年10月2日、肺扁平(へんぺい)上皮がんのため都内の自宅で逝去。享年87。

(2012-10-09)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「大滝秀治」の解説

大滝秀治 おおたき-ひでじ

1925-2012 昭和後期-平成時代の俳優。
大正14年6月6日生まれ。昭和26年劇団民芸にはいる。はじめ演出部に配属となるが,のち舞台にたち,熱演で注目される。ユニークな脇役として活躍,舞台のほか「あにいもうと」「お葬式」などの映画やテレビドラマに出演。平成17年「巨匠」「浅草物語」で読売演劇大賞・最優秀男優賞。21年劇団民芸公演「らくだ」における演技で芸術祭賞大賞。23年文化功労者。平成24年10月2日死去。87歳。死後の25年「あなたへ」で日本アカデミー賞最優秀助演男優賞。東京出身。駒込中学卒。

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367日誕生日大事典 「大滝秀治」の解説

大滝 秀治 (おおたき ひでじ)

生年月日:1925年6月6日
昭和時代;平成時代の俳優

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

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