中国における文章の一形式で,臣下が君主に上(たてまつ)る意見書のこと。古くは上書といい,漢代では章,奏,表,議などといった。魏・晋時代以後は啓といい,唐・宋時代では表,状,劄(さつ),書などともよばれた。内容は政治の得失を論じるのが多いが,儀式や謝恩や天変地異について述べる場合もある。最も有名なのは,唐の陸贄(りくし)の《陸宣公奏議》であって,日本でも江戸時代に数種の和刻本が刊行された。文体としては駢文(べんぶん)(四六駢儷文)が模範とされた。奏議はもともと個人の文集に収められ,目録分類でも集部に入っていたが,のちにはそれだけを別行することもあり,この際には目録分類上において史部の詔令奏議に入れられた。宋代の奏議を集録したものとして趙汝愚輯の《国朝諸臣奏議》150巻があり,歴代の奏議を集めたものとして明代の永楽年間(1403-24)勅輯の《歴代名臣奏議》350巻がある。また林則徐の《林文忠公奏議》と曾国藩の《曾文正公奏議》は近代史研究にしばしば利用される。
執筆者:礪波 護
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新