奏議(読み)ソウギ(その他表記)zòu yì

デジタル大辞泉 「奏議」の意味・読み・例文・類語

そう‐ぎ【奏議】

君主意見を申し上げること。また、その文書

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精選版 日本国語大辞典 「奏議」の意味・読み・例文・類語

そう‐ぎ【奏議】

  1. 〘 名詞 〙 君主に意見を申しあげること。また、その意見書
    1. [初出の実例]「昔の人は各別の人才と見えて〈略〉公事(くじ)・奏儀の夥事(おびただしきこと)をさばき」(出典随筆槐記‐享保九年(1724)九月七日)
    2. [その他の文献]〔漢書‐成帝紀賛〕

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改訂新版 世界大百科事典 「奏議」の意味・わかりやすい解説

奏議 (そうぎ)
zòu yì

中国における文章の一形式で,臣下が君主に上(たてまつ)る意見書のこと。古くは上書といい,漢代では章,奏,表,議などといった。魏・晋時代以後は啓といい,唐・宋時代では表,状,劄(さつ),書などともよばれた。内容は政治の得失を論じるのが多いが,儀式や謝恩天変地異について述べる場合もある。最も有名なのは,唐の陸贄(りくし)の《陸宣公奏議》であって,日本でも江戸時代に数種の和刻本が刊行された。文体としては駢文べんぶん)(四六駢儷文)が模範とされた。奏議はもともと個人の文集に収められ,目録分類でも集部に入っていたが,のちにはそれだけを別行することもあり,この際には目録分類上において史部の詔令奏議に入れられた。宋代の奏議を集録したものとして趙汝愚輯の《国朝諸臣奏議》150巻があり,歴代の奏議を集めたものとして明代の永楽年間(1403-24)勅輯の《歴代名臣奏議》350巻がある。また林則徐の《林文忠公奏議》と曾国藩の《曾文正公奏議》は近代史研究にしばしば利用される。
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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「奏議」の意味・わかりやすい解説

奏議
そうぎ
zou-yi; tsou-i

奏疏ともいう。中国で君主に奏する意見書。奏議を集録したものに,『陸宣公奏議』 (22巻) ,『全孝粛奏議』 (10巻) ,『歴代名臣奏議』 (350巻) ,『欽定名臣奏議』 (20巻) ,『文忠公政書』 (30巻) ,『曾文正公奏議』 (30巻) ,『左文襄公奏稿』 (64巻) など多数存在する。

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普及版 字通 「奏議」の読み・字形・画数・意味

【奏議】そうぎ

上奏の意見書。

字通「奏」の項目を見る

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