(読み)カン

デジタル大辞泉 「奸」の意味・読み・例文・類語

かん【奸】[漢字項目]

[音]カン(漢)
(「」と通用正道を犯す。邪悪である。よこしま。「奸計奸臣奸知奸物佞奸ねいかん
邪悪な人。「漢奸斬奸

かん【×奸/×姦/×姧】

よこしまで悪賢いこと。また、その人。
「―を禁じ乱をとどむるの用多くして」〈中村訳・西国立志編

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「奸」の意味・読み・例文・類語

かん【奸・姦・姧】

  1. 〘 名詞 〙 ( 形動 )
  2. 心のねじけていること。よこしまで悪いこと。また、そのさまや、その人。
    1. [初出の実例]「尽慝窮姧、頓陥疎綱」(出典続日本紀‐天平元年(729)二月丙子)
    2. [その他の文献]〔書経‐堯典〕
  3. みだらなこと。また、そのさまや、その人。
    1. [初出の実例]「唯犯姧悪疾得之」(出典:万葉集(8C後)一八・四一〇六・序文)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「奸」の読み・字形・画数・意味


6画

[字音] カン
[字訓] おかす・みだす・たわける

[説文解字]

[字形] 形声
声符は干(かん)。干に干犯の意がある。〔説文〕十二下に「婬を犯すなり」とあり、姦婬のことをいう。

[訓義]
1. おかす、みだす。
2. よこしま、わるもの。
3. 姦と通じ、みだら、たわける。

[古辞書の訓]
名義抄〕奸 ウルハシ 〔字鏡集〕奸 タハシ・ヲカス・ミダル・ウルハシ・カホヨシ・ヨコサマ・コナミ

[語系]
干・奸・姦kanは同声。姦はもと神姦をいう。語彙は姦字条参照。

[熟語]
奸渠・奸細奸説奸犯奸命奸雄奸吏
[下接語]
漢奸・斬奸・讒奸・大奸・佞奸

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android