嬰児殺(読み)えいじさつ(英語表記)infanticide

翻訳|infanticide

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

嬰児殺
えいじさつ
infanticide

法律用語。諸外国の刑法には,殺人罪の一形態として嬰児に対する生母の殺人を特別に規定し,通常の殺人より軽く処罰しようとするものがある。現行の日本刑法は嬰児殺という特別規定をおいてないので通常殺人罪として処罰されるが,1931~40年作成の改正刑法仮案 337条はこれを認めていた。嬰児殺を減刑するのは,出産時の生母の精神的錯乱や私生児である場合の特殊事情,さらには養育に対する危惧その他宥恕すべき動機が認められるからである。現在日本における司法解剖例中,嬰児死体は 10~20%を占め,そのうち生産児が多く,人工妊娠中絶の適応が広く認められているにもかかわらず嬰児殺も跡を絶たない。嬰児死体については発育程度,生存能力,新生児かどうか,生死産の別,分娩後死亡までの期間,死因などが特に調べられる。生死産の判定はおもに肺浮遊試験による。空気を吸入した肺は水の中に入れると浮き,吸入しない肺は沈むので,この試験により空気呼吸の有無を知り,生死産の手掛りが得られる。

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精選版 日本国語大辞典の解説

えいじ‐ごろし【嬰児殺】

[1] 生まれて間もない子供を殺すこと。
※結婚心得帖(1930)「嬰児殺し━生れたばかりの子供を殺した者は三年以上の懲役になります」
[2] (嬰児殺し) 戯曲。一幕。山本有三作。大正九年(一九二〇)発表。同一〇年初演。生活苦から嬰児を殺した女工と彼女を連行する巡査を通して社会の矛盾をついた作品。

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