子鹿物語(読み)こじかものがたり(その他表記)The Yearling

日本大百科全書(ニッポニカ) 「子鹿物語」の意味・わかりやすい解説

子鹿物語
こじかものがたり
The Yearling

アメリカ女流作家ローリングズ長編小説。1938年刊。南北戦争後のフロリダで開拓生活を送るバクスター家のひとり息子ジョディが、偶然手に入れた子ジカとともに楽しい1年を送るが、やがて野性に戻ったシカは、農作物を荒らしたため射殺される。人間と動物の愛と悲劇を描いている。原名イアリング」(一年子)が象徴するように、少年時代から大人へと移行する時期の子供が、鮮やかな自然環境の描写とともに、生き生きと描かれて感動をよぶ。ピュリッツァー賞受賞し、第二次世界大戦後、映画化された。

神宮輝夫

『大久保康雄訳『子鹿物語』上中下(偕成社文庫)』『繁尾久訳『子鹿物語』上下(講談社文庫)』

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デジタル大辞泉プラス 「子鹿物語」の解説

子鹿物語

①アメリカの女流作家、マージョリー・キーナン・ローリングスの長編小説。1938年刊。
②1946年製作のアメリカ映画。原題《The Yearling》。①を原作とする。監督:クラレンス・ブラウン、出演:グレゴリー・ペック、ジェーン・ワイマン、クロード・ジャーマン・ジュニアほか。第19回米国アカデミー賞作品賞ノミネート。同室内装置賞(カラー)、撮影賞(同)受賞。
③①を原作とする日本のテレビアニメ。放映NHK(1983年11月~1985年1月)。制作:ビジュアル80。

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百科事典マイペディア 「子鹿物語」の意味・わかりやすい解説

子鹿物語【こじかものがたり】

米国の女性作家ローリングスMarjorie Rawlings〔1896-1953〕の小説。1938年作。原題のThe Yearlingは〈満一歳児〉の意。フロリダの山中に住む少年と,彼が拾い育てた子鹿との物語。少年と鹿の愛情,別離,荒地に生きる一家の生活,父子の愛情などが温かく語られており,自然描写も美しい。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「子鹿物語」の意味・わかりやすい解説

子鹿物語
こじかものがたり
The Yearling

アメリカの女流作家マージョリー・ローリングズの小説。 1938年刊。フロリダの原野を背景に,バクスター一家のひとり息子ジョディ少年と母親のいない子鹿との間の愛情の交流を中心に,少年の成長を綴ったもの。ピュリッツァー賞受賞作。

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