宇宙工学(読み)ウチュウコウガク(その他表記)space engineering

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「宇宙工学」の意味・わかりやすい解説

宇宙工学
うちゅうこうがく
space engineering

有人無人にかかわらず、宇宙機を飛ばすには、単にロケットを製作し、打ち上げるだけではなく、宇宙機への搭載物の製作、宇宙機の誘導制御、観測データの地上への送受信やデータ処理、また有人であればその無事な帰還や健康管理・訓練など、各種の問題に万全を期さなければならない。そこには非常に多くの分野の技術が関連しており、これら全体を対象とする工学を宇宙工学とよぶ。これはまた巨額の費用を要するとともに、地表上とは極端に異なった宇宙環境で、搭載機器には確実な作動が要求されることから、そのような信頼性や安全性を確保するためのシステム工学systems engineeringという分野を生み出し、原子力の平和利用と並んで巨大科学技術(ビッグ・サイエンス)とよばれるようになった。

[新羅一郎・久保園晃]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「宇宙工学」の意味・わかりやすい解説

宇宙工学
うちゅうこうがく
space technology

主として地球の大気圏外を飛行する乗物,すなわち宇宙飛行体 spacecraftの技術的諸問題を取扱う学問分野で,航空工学と対比して用いられる。内容は,ロケット,人工衛星,宇宙船などの設計,構造材料,推進機構,軌道運動,姿勢運動などの運動特性,空気,熱などに対する力学特性,誘導,制御,地上設備,安全性,信頼性の解析などを含む。

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