宇宙食は有人宇宙飛行の発展とともに,地上の食事になるべく近くする方向へと改善されてきた。しかし,無重量状態での飲食は,その形態に制限を受けるのは当然である。すなわち,飲物も固形物も無重量状態のために空中に散ってしまうから,飲物はふたのある容器からストローで吸い,固形物もふたのある容器から1個ずつ取り出して食べるしかない。初期の宇宙飛行では,チューブ入りのペースト状食事,乾パン類,少量の冷凍または乾燥食品が主で,加工に火を使うことは考えられていなかった。アポロ宇宙船で,初めて温水と冷水による食品の処理が可能となり,バルブを通して水を入れるとスクランブルド・エッグや七面鳥料理ができ上がるくふうがなされた。袋のジッパーを開いてスプーンで取り出して食べるスタイルができたのもアポロ宇宙船の時代である。スカイラブでは冷凍冷蔵庫や加熱器が使われ,アルミ缶入り料理も出現した。スペースシャトル時代は,1日3000calを摂取する食事と,6日間は毎日違ったメニューが考えられており,85℃まで加熱し,65℃を保つオーブンも利用されるなど改良が加えられている。
執筆者:山中 龍夫
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
…長期間の保存に耐える。(5)中間水分食品 糖などを添加し,水分含量がわりに高いにもかかわらず,腐敗しにくくした食品で,いわゆる宇宙食がこれにあたる。この中では調理済食品が大半を占める。…
…材料の入手や調理が困難で,しかも,その状況が長期にわたる場合も多いので,携行に便なように重量,容積が小さく,貯蔵保存性が大きく,できるだけ調理の必要が少なく,かつ,カロリー,栄養分の豊富なことが要求される。貯蔵保存性の点で,古くから備蓄用の食料とされたものも多く,調理の省略化をめざす面では,いわゆる非常食や宇宙食とも密接な関連をもつ。 日本では古くから焼米や乾飯(ほしいい)(糒(ほしい))が用いられた。…
※「宇宙食」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...
12/17 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
11/21 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新