出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報
大分県国東市国東町大字安国寺字前田にある弥生時代後期から古墳時代初頭におよぶ集落遺跡。遺跡は田深川の右岸で現在の水田下の湿地にあり,1949年から52年に九州文化総合研究所と大分県によって合計7次にわたる発掘調査が行われ,当時,九州では珍しい木器類の豊富な遺跡として有名になった。住居跡は粘土層に掘り込まれた掘立柱の柱根が残っていたことから確認され,住居地帯はU字形にめぐる周溝に囲まれた平たん部にある。住居は平地式または高床式住居で,柱穴群から約30戸分の建物が推測されている。周溝は自然の水路に手を加えたもので,その一部は水田にも利用され,北溝には矢板列が整然と並んでいた。柱穴群の間には小児甕棺もある。遺物としては,弥生後期土器,古式土師器(はじき),磨製石斧,石庖丁,石鏃などと鍬,杵,機織具などの木器や建築部材,植物遺体が発見された。
執筆者:柳田 康雄
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
大分県国東(くにさき)市国東町(くにさきまち)安国寺にある弥生(やよい)後期の遺跡。遺跡は弥生文化の低地集落の一つの型を示すU字溝内に住居地を形成するものである。1950年(昭和25)以来3か年にわたり5回、九州総合研究所と大分県が共同で調査を行った。国東半島の中央から東に向かう田深川の右岸に位置し、低地にU字溝をもつ一種の環溝集落で、この主溝から北東に向かう溝が走り、その部位に矢板や杭(くい)列がみられ、炭化米とともに水田の畦畔(けいはん)の存在が確認された。遺物は、土器に櫛歯(くしば)波状文が施され、その文様の特徴から安国寺式と名づけられた。また、溝の中より発見された木器類にもみるべきものが多い。
[賀川光夫]
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