落着く(読み)オチツク

デジタル大辞泉 「落着く」の意味・読み・例文・類語

おち‐つ・く【落(ち)着く/落(ち)付く】

[動カ五(四)]
1 移り動いていた物事が安定した状態になる。
㋐居所や職業が決まって、そこにとどまる。「新居に―・く」「やっと今の仕事に―・く」
㋑大きな変動のない、安定した状態になる。また、事件などが鎮まる。「病状が―・く」「騒ぎが―・く」
㋒心が安まる。「気持ちが―・く」
㋓流動的であったものに決着がつく。「結局、原案に―・く」
2 言動が、慌てず静かである。また、堂々としている。沈着である。「―・いた人」「―・いた話し方」「―・いて行動する」
3 その場にしっくりあてはまる。うまく調和する。「この上着とズボンとでは―・かない」
4 渋くて上品な感じがする。「―・いた色合い」
5 安心する。得心する。
「やれやれ、そなたの咄を聞いて―・いた」〈虎寛狂・惣八〉
[可能]おちつける
[動カ下二]「おちつける」の文語形。
[類語](1㋐)収まる・居着く・定着する・腰を据える/(1㋑)治まる・鎮しずまる・定まる・鎮静する・沈静する・収束する・安定する/(1㋒)静まる・安まる・安らぐ・くつろぐ・憩う・リラックス・休む/(1㋓)収まる・落着する・決着する・帰着する・けりが付く/(2)(態度、言動の落ち着いているさま)冷静・沈着・平静・悠揚・悠然・泰然・綽然しゃくぜん・自若・どっしり

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精選版 日本国語大辞典 「落着く」の意味・読み・例文・類語

おち‐つ・く【落着・落付】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 カ行五(四) 〙
    1. ① 移り動いていたものが、ある場所にとどまる。
      1. (イ) 旅などで、めざす所に行き着く。また、居場所がきまってそこにとまる。
        1. [初出の実例]「若君具したてまつりて、里にぞいそぎおちつきにける」(出典:浜松中納言物語(11C中)二)
        2. 「東風子の胃の中にカステラが落ち付いた時であった」(出典:吾輩は猫である(1905‐06)〈夏目漱石〉二)
      2. (ロ) 住居や職などがきまって長くそこにとどまるようになる。
        1. [初出の実例]「色里近き順慶町といふ所におちつきぬ」(出典:浮世草子・好色万金丹(1694)一)
    2. ② 高い所から落ちて地面に達する。
      1. [初出の実例]「此鳥のおちつかん所をみてまゐれ」(出典:宇治拾遺物語(1221頃)一四)
    3. ③ 物事が安定した状態になる。
      1. (イ) 事件などがしずまる。物事が解決する。落着(らくちゃく)する。
        1. [初出の実例]「罪が備具て落ついたほどに磔にするぞ」(出典:史記抄(1477)一六)
      2. (ロ) 心配や疑問が消えて心がやすまる。安心する。得心する。
        1. [初出の実例]「Vagor〈略〉ココロガ ドチニモ vochitçucazu(ヲチツカズ)」(出典:羅葡日辞書(1595))
      3. (ハ) 揺れ動いたりしていたものがしずまる。また、変わり方の激しかったものが、定まった状態になる。「天候がおちつく」「相場がおちつく」
      4. (ニ) 発作がおさまる。
        1. [初出の実例]「銅(あかがね)を舐(なめ)ますと癪が直(すぐ)に沈静(オチツク)んで御座いますが」(出典:落語・梅見の薬鑵(1893)〈三代目三遊亭円遊〉)
    4. ④ 判断、議論、相談などが、最後にある点にゆきつく。帰着する。帰する。「中止ということに話がおちつく」
      1. [初出の実例]「クジガ イッパウニ vochitçuita(ヲチツイタ)」(出典:日葡辞書(1603‐04))
    5. ⑤ 態度、ことばなどが軽々しくなくどっしりとしている。物事に動じないように見える。沈着である。ゆうゆうとしている。
      1. [初出の実例]「『何事じゃ』『何事とは落着た。〈略〉なぜに打擲召れた』」(出典:虎寛本狂言・居杭(室町末‐近世初))
    6. ⑥ 表現、色合い、音色などが調和がとれていて、穏やかである。はででなく適度である。
      1. [初出の実例]「取二周之精一者也と云字が、うまうもをちつかぬぞ」(出典:史記抄(1477)三)
      2. 「音色の落ち付いて居る所から察すると」(出典:草枕(1906)〈夏目漱石〉七)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 カ行下二段活用 〙 ⇒おちつける(落着)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

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