宝くじ(読み)たからくじ

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

宝くじ
たからくじ

当せん金付証票法(昭和23年法律144号)に基づいて発売される当選金品付抽選券。各都道府県,政令指定都市もしくは総務大臣が特別の必要を勘案して指定する市が発売し,調達された資金は公共事業の財源にあてられる。1945年7月に 1回だけ発売された「勝札」が第2次世界大戦終了に伴って改称されたもので,同年10月に第1回が発売された。その根拠法規は臨時資金調整法(昭和12年法律86号)であったが,同法は 1948年4月に廃止され,同年7月に現行の当せん金付証票法が制定発布された。当初は政府も発行したが,1954年度かぎりで廃止。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

宝くじ
たからくじ

地方自治体の財政資金の調達に資する目的で発売される当選金品付き抽選券のこと。正称は当せん金付証票。当せん金付証票法(昭和23年法律第144号)に基づいて発行される。
 宝くじは富籤(とみくじ)の一種である。日本においては、江戸時代には江戸、京都、大坂の三都で社寺の再建・修理に際して富籤興業が頻繁に行われたが、1868年(明治1)に明治政府によって禁止された。第二次世界大戦末期の1945年(昭和20)7月、戦費調達のため、臨時資金調整法(昭和12年法律第86号)に基づいて勝札(かちふだ)が発行されたが、これが明治以降初めての富籤である。この勝札は、抽選を待たずに敗戦となったため、敗札(まけふだ)の異名をとった。同年10月、宝くじという名称が取り入れられて、政府による第1回宝くじが発行された。根拠法規は勝札と同様に臨時資金調整法であり、敗戦直後の浮動購買力を吸収し、復興資金にあてるためのものであった。1枚10円、一等当選金10万円、副賞金巾(カナキン)50ヤール付き、外れ券4枚で当時配給制だったたばこ10本がついたことから、爆発的人気となった。翌1946年には法改正で都道府県でも発行できるようになり、その第一号として福井県復興宝くじが発行された。またその場でたばこなどの賞品がもらえるスピードくじも発行され、物資不足・インフレ時代にブームをよんだ。1948年には臨時資金調整法の廃止に伴い、当せん金付証票法が制定され、日本勧業銀行(現、みずほ銀行)が発行業務を受託することになり、宝くじ制度の基本ができあがった。1954年に政府宝くじが廃止され、都道府県と政令指定都市のみの発行となり、しだいに現在の全国、東京都、関東・中部・東北、近畿、西日本の5ブロック別発行(別に栃木県のみ単独発行)にまとまっていった。1964年には財団法人日本宝くじ協会が発足し、宝くじ制度の育成にあたっている(2014年に一般財団法人へ移行)。
 宝くじの1枚当り賞金の最高額は、当初、発行価額の20万倍を超えない範囲の額とされていたが、その後、当せん金付証票法の改正が重ねられ、2012年(平成24)の改正で250万倍(加算型当せん金付証票の場合は500万倍)まで可能となった。賞金の最高額はしだいに大型化し、1968年には前後賞をあわせて1000万円であったが、1989年(平成1)には1億円、2012年には5億円、2015年には10億円となった。なお、その賞金には所得税がかからないことになっている。
 また宝くじの種類も、従来の方式以外に「数字選択式宝くじ」として、ナンバーズ(3桁または4桁の数字を申し込むもので、毎週5回抽選)、ロト(種類に応じて5~7個の数字を選択するもので、毎週抽選)、ビンゴ5(ファイブ)(縦・横3枡(ます)の9個の枡目のうち、中央を除いた8枡にそれぞれ1個ずつ、計8個の数字を選ぶもので、毎週抽選)、また宝くじに隠された部分をその場ではがし、当選を確かめるスクラッチなどが出現している。こうした賞金の大型化、種類の多様化などによって、ほかのギャンブル(競輪、競馬、競艇、オートレース)が軒並み売上げを落とすなかで、宝くじのみは売上げを増加させ、1984年度の2983億円から2006年度には1兆0938億円に達した。しかしその後は漸減し、2016年度は8452億円となっている。その売上額は、当選金46.8%、自治体の収益金39.6%、残りの13.6%が手数料、印刷・宣伝などの経費、日本宝くじ協会を通じての助成活動費などに配分される。地方自治体はこの収益金をおもに公営住宅建設、教育施設建設改良、道路橋梁(きょうりょう)建設などの公共事業費にあてており、その財源の重要な一部となっている。
 なお前記宝くじのほかに、2001年からスタートしたサッカーくじ(スポーツ振興投票、通称toto(トト))がある。文部科学省所管の、スポーツ振興に資するもので、日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の指定された13試合の勝敗または引分けを当てるものであるが、その売行きはいま一つの感があった。このような売上げの低迷を打開すべく、2006年9月からコンピュータがランダムに選択し、購入者が予想する必要がなく簡単に購入できるBIGの販売が開始された。[一杉哲也・羽田 亨]

外国の宝くじ

海外諸国でも、財政資金の調達などを目的に宝くじ・富籤は盛んで、100か国以上の国々で発行されており、国際機関である世界富くじ協会(WLA:World Lottery Association)には、日本を含めて82か国が加盟している(2016年時点)。外国の宝くじは、日本の宝くじと同じ類型が多いが、そのなかには当選者がいない場合に賞金が次回へ繰り越されて累積するため、1回で十数億円の賞金がつくものもある。[一杉哲也・羽田 亨]

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