家庭医(読み)カテイイ(その他表記)family doctor

翻訳|family doctor

デジタル大辞泉 「家庭医」の意味・読み・例文・類語

かてい‐い【家庭医】

患者年齢性別疾患などにかかわらず、地域住民の健康を支える医師。患者や患者の家族と密接な連携を保つことで、予防治療リハビリなどを行う。状況に応じて専門医を紹介するのも重要な役割とされる。→総合医
[補説]欧米では家庭医と専門医が明確に分業されており、医学教育も初期段階から分かれている。日本では、昭和61年(1986)に日本家庭医療学会が設立され、養成研修や勉強会などを運営。平成21年(2009)7月には、同学会による第1回目の「家庭医療専門医」の認定審査が行われた。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「家庭医」の意味・わかりやすい解説

家庭医
かていい
family doctor

普段から家族の健康状態をよく知っており,一家の健康管理に責任をもつ「かかりつけの医師」のこと。生活環境などをよく知っているため,いざ病気になった場合に的確な診断ができる。また,家族と医師との間に相互信頼という人間関係があって初めて医療というものが成立する。イギリス先鞭をつけた,社会保障一環としての家庭医登録制度は,各人が診療所に登録しておき,病気の場合は,その診療所の一般医に診察を受ける。専門医による診断,治療や入院が必要なときは,この一般医の紹介で患者は専門医のいる専門病院へ送られる。家庭医登録は年ごとに更新される仕組みになっている。こうして家庭医は医療保障窓口であり,専門医療体系への接点となっている。アメリカでは医学細分化されすぎた弊害を解決するため,脳外科医などの専門医と同レベルの家庭医学専門医の制度をつくり,すでに5万人以上が活躍している。日本の場合は,現行の保険制度によって,家庭医に対する人間関係と報酬習慣は,ほとんど廃絶されてしまった。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「家庭医」の意味・わかりやすい解説

家庭医
かていい

地域に根ざして、年齢・性別・疾患の種類を問わず、患者やその家族など住民の健康を支え、治療やリハビリテーションおよび疾病(しっぺい)の予防にかかわる医師。幅広い診療領域をカバーし、おもに生活習慣病などのよく遭遇する疾患(コモン・ディジーズcommon disease)の診療にかかわり、必要に応じて適切な専門医を紹介する役割も担う。いわゆる総合診療医であることが望ましい。

[編集部]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

仕事納

〘 名詞 〙 年の暮れに、その年の仕事を終えること。また、その日。《 季語・冬 》[初出の実例]「けふは大晦日(つごもり)一年中の仕事納(オサ)め」(出典:浄瑠璃・新版歌祭文(お染久松)(1780)油...

仕事納の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android