(読み)コウ

デジタル大辞泉 「寇」の意味・読み・例文・類語

こう【寇】[漢字項目]

[音]コウ(漢) [訓]あた あだ あだする
外から侵入して害を加える賊。「外寇元寇倭寇わこう
外から攻めこむ。あだする。「侵寇入寇来寇

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「寇」の意味・読み・例文・類語

こう【寇】

  1. 〘 名詞 〙 外部から侵入してくる敵。外敵。賊。あだ。かたき。
    1. [初出の実例]「寇(コウ)を斬り営に帰って日色低し」(出典読本椿説弓張月(1807‐11)前)
    2. [その他の文献]〔春秋左伝‐文公七年〕

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

普及版 字通 「寇」の読み・字形・画数・意味


11画

(異体字)
10画

[字音] コウ
[字訓] あだする・かたき

[説文解字]
[金文]
[その他]

[字形] 会意
完+攴(ぼく)。完は中に人のある形。元は結髪している人。元服を冠という。冠は虜囚をに献じ、これに攴を加える形。〔説文〕三下に「暴なり」とあり、寇乱の意とするものであろうが、中で虜囚を(う)ち、敵に呪祝を加える意の字であろう。春秋期に、楚では司寇を司敗といったが、敗は(ほう)(法)の意で、寇にも法と同じく糾察の意があったようである。金文の〔鼎(こつてい)〕に農作物を「寇(と)る」ことを訴える記述があり、そのような行為を寇という。外よりするものであるから外寇といい、外寇に対する呪祝を寇といった。字はまた俗にに作る。

[訓義]
1. あだ、あだする、かたき。
2. とる、かすめとる、そこなう。

[古辞書の訓]
〔名義抄〕寇 カタキ・アタ・ヌスビト・アラシ・エビス・カタキ 〔立〕寇 ムラヌスビト・アダ・ミダル・アタル・アタム・イクサ・オビヤカス

[熟語]
寇害・寇姦寇患寇虐・寇逆・寇仇寇警・寇劇・寇寇劫寇昏・寇残寇讐・寇戎寇抄寇鈔寇擾寇攘・寇心寇窃・寇戦寇阻・寇賊・寇敵寇偸・寇盗・寇難・寇入・寇寇剽・寇兵・寇報・寇暴・寇没・寇乱寇掠・寇略・寇虜
[下接語]
遠寇・外寇・扞寇・禦寇・凶寇・狂寇・彊寇・勍寇・劇寇・元寇・司寇・攘寇・侵寇・掃寇・大寇・致寇・懲寇・内寇・入寇・破寇・蛮寇・匪寇・避寇・伏寇・平寇・兵寇・辺寇・余寇・来寇・倭寇

出典 平凡社「普及版 字通」普及版 字通について 情報

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android