小倉織(読み)こくらおり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

小倉織
こくらおり

縦うね組織の綿織物の一種で,小倉木綿ともいう。この名は,北九州市小倉で織りはじめられたことによる。経1本に対し,緯糸2~3本を引きそろえて平織または綾織などにしたもので,袴地,帯地,鼻緒地として用いられたが,生地がじょうぶなことから第2次世界大戦前は学生服作業衣に多く用いられ,現在も服地用が多い。白地,紺地,霜降り地などがあり,斜文組織の綾小倉,ガス糸 (ガスで表面のけばを焼いた糸) を使ったガス小倉などがある。現在では主産地は岡山に移り,大阪,広島,埼玉などでも織られている。

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朝日新聞掲載「キーワード」の解説

小倉織

江戸時代から小倉藩で作られたとされる木綿織物。通常の約3倍の縦糸を使い、丈夫で長持ちする。武士のはかまに各地で重用され、反物徳川家康遺品にあったとの文献の記述もある。幕末長州藩との戦乱や明治中頃の金融恐慌の影響で衰退し、大正から昭和初めに姿を消した。現在は作家らによる研究会協同組合が活動している。

(2019-02-22 朝日新聞 夕刊 1社会)

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デジタル大辞泉の解説

こくら‐おり【小倉織】

もと九州の小倉地方で産出した綿織物。厚手でじょうぶなところから帯地・袴地(はかまじ)のほか、作業服や学生服などに多く用いられた。現在は岡山で産する。小倉縞

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百科事典マイペディアの解説

小倉織【こくらおり】

綿織物の一種。呼称は江戸初期に小倉(福岡県)で創始されたためで,小倉木綿とも。主に岡山・愛知・埼玉などで生産。経(たて)糸の密度が高く,緯(よこ)糸の太い緯畝(よこうね)織物調で,丈夫なため日常の袴地・男帯などに使われ,近年は学生服や作業服に多用されたが,化学繊維に押されて衰退した。

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世界大百科事典 第2版の解説

こくらおり【小倉織】

綿織物の一種。小倉木綿ともいう。福岡県小倉でつくり出されたためこの名があるが,現在は岡山,愛知,埼玉などでも生産される。経糸(たていと)の密度が多く緯糸(よこいと)の太い緯畝(よこうね)織物調で,じょうぶなため日常の袴地,男帯に使われたが近年は学生服,作業服などに多用する。【宮坂 博文

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大辞林 第三版の解説

こくらおり【小倉織】

小倉から産出する経畝たてうね組織の綿織物。厚地で丈夫なので男子用袴や帯・学生服などに用いる。こくら。小倉縞じま

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

小倉織
こくらおり

もと九州の小倉地方(現在北九州市の一部)で織られていた綿織物の名称。初め経糸(たていと)を密にした経畝(たてうね)織で、男帯地、男袴地(はかまじ)に使われていたが、四枚綾(あや)の綾織にした綾小倉、紺と白の杢糸(もくいと)を使った霜降小倉、ガス糸を使ったガス小倉などがつくられ、生地がじょうぶであることから、第二次世界大戦前には学生服や作業服に広く用いられた。小倉に始まった生産は、明治後期からは岡山、埼玉地方でも行われるようになり、現在では岡山が生産地となっている。しかし化合繊の進出により、綿生地にとってかわり、その材料が転換しつつある。[角山幸洋]

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精選版 日本国語大辞典の解説

こくら‐おり【小倉織】

〘名〙 織物の一種。福岡県北九州市小倉地方から産出する木綿織。経(たていと)を密にし緯(よこいと)を数本合わせて厚く織ったもの。地質は強く主に男物の帯地・袴地または学生服地や下駄の鼻緒などに用いられる。白地・紺地が多い。小倉。小倉縞。〔随筆・反古染(1753‐89頃)〕

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