…幼虫に発達している絹糸腺は,唾液腺の変化したもので,すべてのガ類がもっているが,とくに人々が利用している糸は,カイコのほかにヤママユガ科のヤママユ,サクサン,テグスサンなどが知られている。ヤママユは飼い子に対して山子と呼ばれ,長野県の有明地方では,現在でも野外飼育されているし,ヤママユと中国原産のサクサンの雑種も糸をとる目的で利用されている。中国南部では,テグスサンの幼虫から絹糸腺を取り出し,これを精製してじょうぶな糸をつくり,おもに釣糸として利用していたが,今ではナイロンにとって代わられている。…
…それがしだいに高殿と記される炉をもった作業施設がつくられ,定着するようになった。たたらを中心とする山内(さんない)にはたたら師,鍛冶師,炭焼きなどが住み,経営者との間に親方子方関係を結び山子(やまこ)として働いた。たたら師は鉱山関係者のなかでもとくに信仰や伝承が多く,かつ古いものが残されている。…
※「山子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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