巣山村(読み)すやまむら

日本歴史地名大系 「巣山村」の解説

巣山村
すやまむら

[現在地名]鹿野町大字巣山

佐波さば川の支流島地しまじ川の上流域の諸流がつくる谷間に集落が点在する山間村で佐波郡に属し、現鹿野町の他村とは水系を異にする。北は大潮おおしお村、三谷みたに(現佐波郡徳地町)、東は鹿野中かのなか村、西から南にかけては鯖河内さばごうち高瀬たかせの両村(現徳地町)。萩藩領で徳地宰判所属。

「地下上申」に佐波郡巣山村として総高八一九石余(田数三四町余、畠数二三町余)、家数一八六、人口三六二人とあるが、「注進案」の巣山村域にはほかに北方の清涼寺せいりようじ村分が含まれる。


巣山村
すやまむら

[現在地名]鳳来町巣山

標高三五〇メートル、南北約一・五キロ、東西約一・五キロの高原盆地にある。西は細川ほそかわ村、東は一色いつしき村、南は下吉田しもよしだ村、寺野てらの(現静岡県)に接する。近世秋葉あきは(現静岡県)への秋葉あきば道と鳳来寺への鳳来寺道の宿場として栄えた。明治の初めには一二軒あったという宿屋も大正年代(一九一二―二六)にはすべて廃業した。

天平二〇年(七四八)創建と伝える金竜山高福こうふく寺阿弥陀堂やその別当寺の野高山栖雲せいうん寺があった。高福寺は明治初年の廃仏毀釈で廃却され、栖雲寺は無住となっている。


巣山村
すやまむら

[現在地名]神岡町巣山

越中東街道は巣山峠を越え大坂おおさか峠へ向かう。西は柏原かしはら村、南は荒原あらはら(現上宝村)。村名は中世江馬氏時代、この村の山で雛鷹を飼育したことに始まるという。慶長一〇年(一六〇五)の飛騨国郷帳では、高原山田たかはらやまだ郷の内で「須山」とあり、柏原ともに高八四石余とある。同一八年の郷帳では須山村とあり、高原郷に属し、高一四石余。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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