市川団蔵(4代)(読み)いちかわ・だんぞう

朝日日本歴史人物事典 「市川団蔵(4代)」の解説

市川団蔵(4代)

没年:文化5.10.9(1808.11.26)
生年:延享2(1745)
江戸中期の歌舞伎役者俳名の市紅,屋号三河屋は初代以来受け継いでいる。京都出身。大坂の中芝居で修業したのち,宝暦13(1763)年には初代中村富十郎の門人となったが,明和5(1768)年江戸へ下り3代目団蔵に入門した。安永1(1772)年に師が没したのちに芸養子となり,翌2年に団蔵を襲名以後,江戸で活躍したが,天明3(1783)年以降は,もっぱら上方や地方での興行に出勤,大坂での興行中に64歳で没した。宙返りや,何役もの早替わりを得意とする器用な役者として重宝がられた。代表的なものに「仮名手本忠臣蔵」の7役早替わりがある。その一代記『市河の流れ』(1809)が出版されている。<参考文献>伊原敏郎『近世日本演劇史』

(池山晃)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「市川団蔵(4代)」の解説

市川団蔵(4代) いちかわ-だんぞう

1745-1808 江戸時代中期-後期の歌舞伎役者。
延享2年生まれ。初代中村富十郎に入門。江戸へでて3代市川団蔵の弟子となり,師の没後に養子となって安永2年4代を襲名。武道事を中心に早変わりや宙返りを得意とし,江戸,上方で人気があった。文化5年10月9日死去。64歳。京都出身。初名は亀谷虎蔵。前名は市川友蔵,市川団三郎(3代)。俳名は市紅。屋号は三河屋。

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